1. アナログ半導体専業メーカー エイブリック

私たちエイブリックは、1960年代にクオーツ式ウオッチ用のCMOS ICの開発からスタートし、一般用途向けの電源用IC、ホールIC、EEPROMなどの半導体製品を長年にわたりご提供してまいりました。
そこで培われた小型・低消費電流技術、高精度技術を、自動車電装用のEEPROMをはじめ、電源用IC、ホールICなどさまざまな製品群に展開しております。
そして、「『Small Smart Simple』なアナログ半導体ソリューションでお客様に感動を提供」というビジョンの下、モビリティ社会の課題解決に貢献してまいります。

SMALL
超小型半導体製品の開発と製造
SMART
スマート社会を実現する、省電力なアナログ半導体を提供
SIMPLE
小型化とコスト低減に貢献する、シンプルで使いやすい製品の提供

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2. 車載アプリケーションで高まる小型化・低暗電流化

近年、自動車業界は「CASE」 (Connected (コネクテッド)、Autonomous (自動運転)、Shared & services (シェアリング & サービス)、Electric (電動化) と呼ばれる4つの領域で技術革新が進んでいます。そして、それに伴う具体的な動向として以下が挙げられます。

C (コネクテッド):外部と通信するためのTCU (Telematics Control Unit) の追加
A (自動運転) : 車両周辺をセンシングするカメラやミリ波レーダなどのセンサとADAS (Advanced
    Driver-Assistance Systems) ECUの追加
S (シェアリング&サービス) : 高いセキュリティと利便性を兼ね備えたPaaK (Phone-as-a-Key) の拡大 
E (電動化) : 従来は電気で動作していなかった駆動系や補機類の電動化

自動車業界で広まる「CASE」

2. 車載アプリケーションで高まる小型化・低暗電流化(2)

CASEの加速に伴い、車両に搭載される電装部品 (ECU、センサ、電動化部品) が増加しています。その一方で、車両自体のサイズは変化しないため、個々のECUには当然のことながら小型化が求められています。

また、HEVを含むガソリン車、EV共に搭載される12V補機バッテリーに接続される電装部品が増えることから、各ECUはバッテリー上がりを防ぐために低暗電流*化が求められています。

*暗電流 : イグニッションOFFの状態でも流れる待機電流

スマートエントリーシステム, 快適制御, パワーウィンドウECU, 運転席スイッチECU, シートヒーター制御, シートECU, ジャンクションブロック / リレーボックス, ヘッドランプECU, 照合ECU, エアコンECU, ボディ統合制御ECU, ペアレンタルコントロール, 電子制御4WD システム制御, 車載用充電器ECU, DC-DC コンバーターECU, 電動サスペンション制御, パーキングブレーキ制御, インバーターECU, 自動運転システムECU, エアバッグECU, ハイブリッド制御(エンジン・モーター出力配分制御), 電動可変バルブ制御, シフトバイワイヤ制御, バッテリー電圧、電流、温度監視および電源入出力制御, エンジンECU, トランスミッションECU, カーオーディオECU / ディスプレイオーディオECU, カーナビECU, ゲートウェイECU, 車載メーターECU, 電動補器類, レーダーセンサ, センシングカメラ, ビューカメラ, ドライバーモニタリングシステムECU, AVAS 制御, 水素漏れ監視制御, スタートストップ制御

 

3.「小型化」の進むアプリケーション

カメラやミリ波レーダ等の各種センサ、TCU、ADAS ECU、EPS、HUD、DMS、スマートエントリーシステム等は搭載位置や筐体サイズの制限から小型化のニーズがあります。
カメラやミリ波レーダは、搭載箇所のデザイン性を損なわないために特に小型化が求められています。実際のカメラモジュールの筐体サイズは、約25mm×25mmと非常に小さいため、それに搭載される基板のサイズはさらに小さくなります。そして、その中に多くの部品を搭載するためには、それぞれの部品を小さくする必要があります。

小型化の進むアプリケーション カメラモジュール

急増する小型化ニーズに対し、エイブリックは2つのアプローチで解決策を提案します。

 

「小型化」実現に向けたご提案① 小型パッケージ

エイブリックの強みである自社製小型パッケージを用いた小型ICにより、お客様のアプリケーションのさらなる小型化に貢献します。
エイブリックは業界最小クラスのパッケージHSNTシリーズを車載用パッケージとしてラインナップしています。一般的な小型のパッケージにはないアウターリードを有するHSNTシリーズは、小さいだけではなく高い実装性を特長とします。

アウターリードがあることで、

  • 実装が容易に
  • 実装強度が高く
  • 実装後の自動外観検査が可能  といった多くのメリットを提供します。

「小型化」実現に向けたご提案 小型パッケージ

 

「小型化」実現に向けたご提案② 部品点数を削減

エイブリックは高性能なICをご提供することで、外付け部品点数の削減、小型化に貢献します。

具体的には、

  • 必要とされる外付け部品をIC内部に取り込むこと
  • 1chipのICに機能を統合させること
  • ノイズ対策に必要な外付け部品を減らすこと  等により、ECU小型化の実現に貢献します。

「小型化」実現に向けたご提案 部品点数を削減 S-191L/N「小型化」実現に向けたご提案 部品点数を削減 S-19514/5「小型化」実現に向けたご提案 部品点数を削減 S-19914/5

 

車載用電源IC 回路例 (カメラモジュール)

製品名をクリックすると、製品情報へリンクします。

Circuit example of automotive camera module
ircuit example of automotive camera module

VD: Voltage detector (Reset IC)   *LDO: Low-dropout regulator   *WDT: Watchdog timer

 

4.「低消費電流化」の進む+B電源系回路

12V補機バッテリーに接続される電装部品の増加は、暗電流の増加につながります。暗電流とはイグニッションOFFの状態でも12V補機バッテリーに常時流れる待機電流であり、 各ECUの+B電源系回路の待機電流の合計です。イグニッション ON時はECUが動作するため大電流を消費しますが、オルタネータ/ジェネレータからバッテリーが充電されるためバッテリー上がりの懸念はありません。しかしイグニッションOFFの状態ではオルタネータ/ジェネレータが動作しないため、暗電流が多いとバッテリー上がりの危険性が高まります。

このバッテリー上がりを防ぐために、+B電源系回路の暗電流値を一定以下に抑える必要があります。そのため、各ECUにはそれぞれ暗電流の上限値が割り振られています。例えば、一つのECUの暗電流上限値が100µA以下と設定することで全体の暗電流を抑えます。

さらに、旧モデルでは上限値が100µAであったECUでも、新規モデルではECUの搭載数増加に伴い、上限値が旧モデルの半分の50µAとなるケースも増えてきています。


「低消費電流化」の進む+B電源系回路

 

「低消費化」実現に向けたご提案

「低消費化」実現に向けたご提案

このような暗電流増加をエイブリックの低消費電源ICを使うことで解決することができます。エイブリックでは暗電流削減に効果的な低消費電源ICを数多くラインナップしています。

その中でも12V補機バッテリーに接続可能な定格電圧45V / 出力電流1AのLDO S-19214シリーズは従来の同等機能の競合製品に対して1/100以下の自己消費電流(ISS)を実現しました。この低自己消費電流でECUの暗電流削減に貢献します。

 

車載用電源IC 回路例

製品名をクリックすると、製品情報へリンクします。

Circuit example of power supply
Circuit example of power supply

 

5. 車載用電源IC 製品ラインナップ

製品名をクリックすると、製品情報へリンクします。

  • Linear Regulators (LDO Regulators) (125°C)
  • Linear Regulators (LDO Regulators) (105°C)
  • Voltage Trackers (125°C)
  • Voltage Detectors (Battery Monitoring & Reset ICs) (150°C)
  • Voltage Detectors (Battery Monitoring & Reset ICs) (125°C)
  • Voltage Detectors (Battery Monitoring & Reset ICs) (105°C)
  • Watchdog Timers
  • Switching Regulators (DC-DC Converters)
  • Connection Diagnosis ICs
  • Lithium-ion Battery Protection ICs / EDLC Protection ICs

Linear Regulators (LDO Regulators) (125°C)

10V 20V 30V 40V 50V

























  • IOUT (mA)
    Product / VIN (V)
    VOUT (V)
    ISS (µA)
  • 1000
    S-19214
    1.8 to 30
    5.0
    S-19244
    1.0 to 9.0
    120
    S-19259
    0.9 to 5.0
    60
  • 600
    S-19701
    3.3 to 20
    80
  • 500
    S-19213
    1.8 to 30
    5.0
    S-19218
    2.5 to 30
    30
    S-19318
    3.3, 5.0
    3.0
    S-19506/7
    3.3 to 5.0
    3.0
    S-19509
    3.3 to 5.0
    3.2
    S-19516/7
    3.3 to 5.0
    3.0
    S-19519
    3.3 to 5.0
    3.2
    S-19243
    0.9 to 9.0
    120
  • 400
    S-19312
    3.0 to 5.3
    60
    S-19502/3
    3.0 to 5.3
    60
    S-19700
    3.3 to 20
    80
  • 300
    S-19222
    1.8 to 30
    22
    S-19255
    0.9 to 3.6
    55
  • 250
    S-19212
    2.5 to 16
    6.5
    S-19317
    3.3, 5.0
    3.0
    S-19504/5
    3.3 to 5.0
    3.0
    S-19514/5
    3.3 to 5.0
    3.0
    S-19518
    3.3 to 5.0
    3.2
    S-19721
    40
  • 200
    S-1142
    2.0 to 12
    4.0
    S-19200
    2.0 to 15
    4.0
    S-19311
    3.0 to 5.3
    60
    S-19500/1
    3.0 to 5.3
    60
  • 50
    S-19720
    30
  • 40
    S-19310
    2.9 to 5.3
    2.2
    S-19315
    1.0 to 5.3
    2.0
    S-19316
    1.0 to 5.3
    2.0
10V 20V 30V 40V 50V

 

6. 車載品質・開発サポート

AEC-Q100

エイブリックの車載用ICは、車載電子部品評議会(AEC: Automotive Electronics Council)による各種の信頼性・品質評価試験であるAEC-Q100の試験項目を採用しています。
さらに、PPAP(生産部品承認プロセス)に対応可能な製品を取り揃えております。これにより、高い品質と信頼性が常に確保され、車載用の各種アプリケーションへ安心して導入することができます。

IATF16949認証取得

エイブリックは、自動車産業向けの品質マネジメントシステム規格であるIATF16949の認証を取得しております。エイブリックの車載用ICは、IATF16949の体系に基づいて製品の開発を行っています。
機能安全対応製品設計の構築を手助けするため、ご使用条件に合わせて算出したFIT値を提供しております。FIT値算出の実施については販売窓口までお問合せください。

対応アプリケーション

エイブリックの車載用ICを応用分野やアプリケーションごとに分類しています。下記のマークは、ICを導入できるアプリケーションの種類を表し、製品概要ページに記載されているマークに対応しています。車両機器、車載機器への用途でご使用をお考えの際は、必ず弊社販売窓口までご相談ください。

アプリケーション例:エンジン、トランスミッション、サスペンション他
アプリケーション例
エンジン、トランスミッション、 サスペンション、 ABSに代表される重要保安部品、 EV/HEV/PHEV関連機器など
アプリケーション例:メータ、ボディ、ヘッドランプ
アプリケーション例
メータ、ボディ、
ヘッドランプ 、ITS など
アプリケーション例:アクセサリ、カーナビ、カーオーディオ
アプリケーション例
アクセサリ、カーナビゲーション、カーオーディオなど

熱シミュレーションサービス

精度の高い「熱シミュレーションサービス」により、開発に対する負荷、期間、費用を削減します。
ご検討中の基板やご使用条件などの情報をいただくことで、熱抵抗値や推奨配線率などのご提供が可能です。
熱シミュレーションサービスをご希望の場合は、販売窓口までお問い合わせください。
熱シミュレーションサービスのご紹介

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