FAQ よくある質問

【コンパレータ】コンパレータにヒステリシスを持たせるにはどうしたらいいですか?

コンパレータのヒステリシス電圧の設定方法を例を挙げて紹介します。

条件:VDD = 3.3V、VREF = 1.4V、ヒステリシス幅 = 6mV、立ち上がり検出電圧 1.650V

各素子の値の決め方:

1)R3値

入力リーク電流の影響を最小限にするために R3に電流を少なくとも 0.5μA 流す必要があります。
R3に流れる電流は( VREF – VOUT ) / IR3で、VOUT = 0V、もしくはVOUT = VDDですから、R3 = VREF / IR3 またはR3 = ( VDD – VREF ) / IR3で得られます。
この結果の2つのうち小さい方を使用します。VDD = 3.3V、VREF = 1.4Vで、IR3 = 1μAの時、2つの抵抗値は1.4MΩ、1.9MΩとなり、ここでは 1.4MΩを選択します。

2)ヒステリシス幅

ヒステリシス幅( VHB )を選択します。ここでは6mVとします。

3)R1値 R1 = R3 ( VHB / VDD ) で得られます。

R1 = 1.4M ( 6m / 3.3 ) = 2.55kΩ

4)VTHR VTHR > VREF ( R1 + R3 ) / R3 を満たす、立ち上がりの検出点 VTHR を設定します。

ここでは1.650Vとします。

5)R2値

以下の式で計算されます。
R 2 = 1 / ( VTHR / ( VREF・R1 ) – ( 1 / R1 ) / ( 1 / R3 )) = 1 / (1.65 / ( 1.4・2.55k ) – ( 1 / 2.55k ) – (1 / 1.4M )) = 14.4kΩとなります。

6)結果

立ち上がり電圧、立下り電圧、ヒステリシス幅は以下のようになります。
立ち上がり :VTHR = VREF・R1 ( 1 / R1+1 / R2+1 / R3)
立ち下がり :VTHF = VTHR – R1・VCC / R3
ヒステリシス:VHB = VTHR – VTHF = R1・VCC / R3

【コンパレータ】S-89220(コンパレータ)で出力波形の立ち上がり時間がデータシートの値(2us)に比べてはるかに大きかった(35ms)が、なぜですか?

お客様の組んだ回路で、コンパレータの同相入力電圧がデータシート記載の範囲外(VDD 付近)になっていることが考えられます。S-891シリーズとS-892シリーズは同相入力電圧が Rail-to-Rail ではありませんので、ご注意ください。

【S-87X】S-87xxxxBUPで遅延時間を2秒に設定したいが、可能でしょうか? 外付けコンデンサの容量値に上限はあるでしょうか?

外付けコンデンサの値0.33μFにて1.9sectyp.(1~2.9sec内)が可能です。

外付けコンデンサ値を上げると、弊害として検出側の遅延時間も大きくなります。
原因は、検出時外付けコンデンサの電荷をディスチャージする(4.5V→0V)時間がかかるためです。

0.33μFの容量により検出時間に4.5msec程度の遅れが生ずると見込まれます。このことによる問題がない事をご確認願います。

【S-87X】S-87xxxxシリーズに付ける出力側容量のESR値に制限はあるでしょうか?

範囲に限定はありません。

S-87xxxxシリーズのシリーズレギュレータは内部で位相補償しております。
従って、S-816のようにある程度ESRのある出力容量を必要としません。

容量値は過渡応答で発生するリンギングの大きさが回路上問題とならないように選択して下さい。

【S-87X】S-87xxxxシリーズの出力電圧は入力電圧が低い場合どうなるのでしょうか。オフするのでしょうか?

下図に出力電流をパラメータとして出力電圧と入力電圧のカーブを示します。出力電圧が5Vの製品の場合の例です。
ある入力電圧以上では出力電圧は直線的に増加して行きます。

本データは標準的な製品の場合の例です。個々の製品ではバラツキがあります。

【S-87X】S-87xxxxシリーズの検出電圧および消費電流の温度依存性はどの程度なのでしょうか?

下図に1例を示します。この図は標準的な製品の特性例です。データシートもあわせてご参照下さい。

1. 検出電圧の温度特性(S-875061CUP / EUP)

2. 消費電流特性の温度特性(S-875061CUP / EUP)

【S-87X】S-87xxxxシリーズの入力安定度・負荷安定度の温度依存性はどの程度なのでしょうか?

下図に1例を示します。この図は標準的な製品の特性例です。データシートもあわせてご参照下さい。

1. 入力安定度の温度特性(S-875061CUP / EUP)

2. 負荷安定度の温度特性(S-875061CUP / EUP)

記載情報は不定期に更新や変更をいたします。

【S-87X】S-87xxxxシリーズの出力電圧の温度特性は仕様が規定されていますが、実際はどの程度なのでしょうか。また、入出力電圧差はどうでしょうか。

下図に1例を示します。この図は標準的な製品の特性例です。仕様で規定される最大値まではばらつく可能性があります。データシートもあわせてご参照下さい。動作温度範囲は-40~+85°Cです。

1. 出力電圧の温度特性 (S-875061CUP / EUP)

2. 入出力電圧差の温度特性 (S-875061CUP / EUP)

【オペアンプ】オペアンプはGain=+1で使えるように位相補償されていますか。

S-891 シリーズ、S-8943 シリーズは Gain = + 1 で使えるように位相補償されています。

【オペアンプ】利得帯域幅積(GBP)とは何ですか?

Gain(利得)と Band Width(帯域)の積のことです。

【オペアンプ】オペアンプをコンパレータとして使ってもいいですか?

オペアンプをコンパレータとして使うのではなく、コンパレータ製品S-8953シリーズ、S-892シリーズを使うことをお勧めします。

理由
① コンパレータでは位相補償容量を用いていないため、同じ消費電流のオペアンプに比べて、立ち上がり/立下り時間が短い。
② オペアンプをコンパレータとして用いると、消費電流が増加する場合があります。たとえば、S-8943(オペアンプ)を、コンパレータとして用いると、出力がVDD側に飽和したときに、消費電流が3~6uAまで増加することがあります。

S-8943は使わずに、代わりにS-8953をお薦めします。

【オペアンプ、コンパレータ 共通】2回路入り製品で、使用しないオペアンプ(コンパレータ)はどのように処理したらいいですか?

入力端子をオープンのままにしても破壊はしませんが,動作が不安定となり,使用している側のオペアンプ(コンパレータ)の特性に影響を与える可能性があるので、次のように接続することをお奨めします。

オペアンプの場合、
ボルテージフォロワ構成とし,入力Vin+をVSSに接続する。

コンパレータの場合、
Vin+をVSSに接続し、Vin-をVDDに接続する。

【オペアンプ、コンパレータ 共通】入力オフセット電流のMAX値はいくらですか。

入力オフセット電流は、MOSトランジスタのゲート端子に流れる電流ですので、デバイス的には1pA程度の実力があります。しかしながら、PKG端子のリーク電流やpAオーダーの測定精度のために、正確に測定するのが困難であり、MAX実力値は把握できておりません。

テスト条件では、入力オフセット電流のMAX値はS-891シリーズ、S-892シリーズでは、50nA以下で選別しています。その他のミニアナログ製品は10nA以下で選別しています。

【オペアンプ、コンパレータ 共通】入力電圧がVDDより大きくなっても壊れませんか。また入力電圧がVSSより小さくなっても壊れませんか。

データシートの記述では、ミニアナログ製品の入力電圧の最大定格はVSS~VDDとなっております。これは、信頼性試験で保証している入力電圧の範囲です。

ただし実力的には、もう少し広い範囲の入力電圧を入れても、壊れません。
どの範囲までかというと:
データシートに示されているように、入力端子とVSSの間にはESD保護用のオフトランジスタ(NMOS)が接続されています。VSS以下の電圧を入力端子に印加した場合、入力電圧が約(VSS-0.7V)以下になると、このオフトランジスタを流れる電流が増加します。VSS-0.5Vまでであれば、実力的には問題ないと考えられます。

入力端子とVDDの間には保護用デバイスがなく、電流パスが存在しません。VDD以上の電圧を入力端子に印加した場合、入力電圧が(VSS+7V)以下であれば、壊れることはないと考えられます。

【オペアンプ、コンパレータ 共通】各端子の等価回路はどのようになっていますか?

データシートに各端子の等価回路を図示してありますので、そちらを参照してください。

【オペアンプ、コンパレータ 共通】保護回路はどのようになっていますか?

データシートに保護回路を図示してありますので、そちらを参照してください。

【S-8520/8521】PWM方式とPWM/PFM切換え方式とのメリット/デメリットはどのように考えればいいでしょうか?

PWM式は、PWM/PFM切替式と違い、スイッチングの周波数が常に一定なので、外来ノイズの周波数が決まりフィルターを組み易い利点があります。

PWM/PFM切替式のほうは、中低負荷時の効率がPWM式より格段によくなる利点があります。下記に、PWM/PFM切替式S-8521B50とPWM式S-8520B50の効率データを添付しますので、参照ください。

【S-8520/8521】起動時、入力電源VINから大きなラッシュカレントが流れるが、対策方法は?

この IC の性能です。
この IC はソフトスタート回路を内蔵し、IC 内部の VREF 電圧を 0V から基準電圧値までゆっくり上昇させることで出力電圧をゆっくり立ち上げ、起動時のラッシュカレントを抑えています。しかし、降圧動作を開始した 瞬間は VREF 電圧及び VOUT 端子電圧は OV となり、この時出力電圧の正常な制御が行えないので、VREF 電圧がある程度の電圧を持つまで出力電圧の上昇を抑えます。このため、VREF がある電圧にて出力電圧が立ち上がり、 瞬間的に上昇し、この時ラッシュカレントが流れます。 対策案としては、下図のように TR2,3,R1~4,C1 を追加する方法があります。

基本動作としては、ON / OFF が LO → HI にて UVLO 回路で強制的に TR1 をオフしている期間、VIN から抵抗R 4 を介し CL をチャージすることで、ソフトスタートと同じ効果を出すものです。 C1,R1 で UVLO でのオフ時間になるよう設定し(マイコンで作れればもらう)、また R4 にて OUT 電圧上昇の傾きを ソフトスタートとつながるように決めます。( VIN 電圧で図 D,E,F の様に傾き変わるので注意が必要) 一定時間小信号 TR2 をオンし、これにより TR3 をオンさせ、( VIN – VOUT ) / R4 の電流を OUT に流し CL をチャージしてやることで、ラッシュカレントを減少させることができます

【S-8340/8341】S-8340A56で3.3Vから5.6V(100mA、Max.200mA)を作りますが、出力が短絡した場合に電流制限回路はどこまで有効でしょうか?

電流制限回路は外付けFETを発熱による破壊から守るためのものです。出力短絡においては外付けFETがオフしても外付けコイルとショットキーダイオードを介して入力から出力に電流パスがあるので、DC的に電流が流れてしまいます。
理想的に出力短絡した場合、S-8340は動作停止しスイッチングTrはオフします。コイルとショットキーダイオードに、ほぼ入力電圧分がかかり大電流が流れ許容損失を超えてしまうので、外付けコイルまたはショットキーダイオードが熱破壊します。

ただし現実的には、

  • 入力電源抵抗
  • コイル直列抵抗
  • ダイオード抵抗
  • 出力短絡抵抗(接触抵抗や配線抵抗等)

が存在し、この抵抗分の比率で各素子にかかる電圧(損失)が変わり、一番弱い素子が熱破壊します。

熱破壊防止にはフューズ等による保護が必要です。

【S-8357】S-8357Bを使用した昇圧回路にて出力に peak to peak で100mV以上のリップルが発生します。何とかしたいがなんらかの手段がありますか?

考えられる方法は、以下です。

①出力容量の値を大きくする(Cout)。
②S-8357N(600kHz品)を使用する。
③SWRの後にLCフィルタを挿入する→Ioutmax500mAよりDCR数十mΩのコイルが必要ですのでコストアップとなります。

【S-8355/56/57/58】S-8355/56およびS-8357/8のVDD分離タイプ(E,J,G,P)のEXT端子の出力振幅は?

EXT出力振幅は、GNDからS-8355~8シリーズの内部回路の電源電圧までとなります。

ノーマルタイプ(S-8357/8のB,h,F,Nシリーズ)は、内部回路の電源がVDD端子として出ていますので、EXT出力振幅はGND~VDDとなり、例えばVDD端子にVIN電圧を引加すれば、EXT出力振幅はGND~VINとなります。

【S-8355/56/57/58】データシート記載の出力電圧調整回路において、パワーオフ時に出力を GND にディスチャージしたいが方法は?

① パワーオン時、入力電源から流れるラッシュカレントが問題とならない場合

パワーオフ時、VINからSWRを切り離します。
パワーオフ時はTR2がオフするので、TR3をオンし COUT を RC でディスチャージします。

② パワーオン時、入力電源から流れるラッシュカレントが問題となる場合

パワーオフ時、IC の VDD 及び外付け抵抗の GND 側を切り離します。
パワーオフ時はTr3,4がオフするので、Tr5をオンし Cout2 を RC でディスチャージします。
パワーオン正論理と負論理の2つの入力が必要となります。
また、外付け部品点数も図1より Tr が2個,容量が1個多くなります。

【S-8353/54/55/56/57/58】S-8353/54/57/58のソフトスタートのメカニズムについて教えて下さい。

ソフトスタート機能は、昇圧動作起動時に出力電圧のオーバーシュート防止と、上昇時のラッシュカレントの抑制を目的に付加されます。ソフトスタートの方式として本ICは、基準電圧をゆっくり立ち上げる方式を採用しています。

下記にS-8357B30でのソフトスタート時を示します。測定回路内の基準電圧VREFをOVからゆっくり立ち上げることで、出力電圧VOUTをゆっくり立ち上げています。立ち上げ時間は発振周波数毎にIC内部で規定されています。[波型グラフの中の点線のVrefは、基準電圧VREFを出力電圧VOUTレベルに換算した値(Vref=VREF×(R1+R2)÷R2)]

電源投入直後、VOUTがVIN近くまで上昇するのは、測定回路のL,SDを介しVINからVOUTに電流を供給するためです。

【S-8353/54/55/56/57/58】スイッチングレギュレータ(DC-DCコンバータ)のソフトスタートの種類について教えて下さい。

ソフトスタート機能は、昇圧動作起動時に出力電圧のオーバーシュート防止と、上昇時のラッシュカレントの抑制を目的に付加されます。ソフトスタートの方式としては、

① スイッチ電流に電流制限を設ける。
② 基準電圧をゆっくり立ち上げる(S-8353/54/57/58)
③ 立ち上げ時オンデューティを制限する

等があります。

S-8353/54/55/56/57/58は、②の方式を採用しています。

【S-8355/56/57/58】-5Vの入力で+5Vの出力を得る方法はあるでしょうか?(出力電流20mA)

S-8357Eを使用して可能です。ただし、入力電圧が5V固定であることが条件となります。
図1は正電圧を負電圧にするための回路例です。

負電圧をに正電圧するためには、図1の逆の事をやる必要があります。

S-8357Eを使用し、図2のような構成が可能ですが、負電圧基準に正電圧を設定しなければなりません。
出力電圧=S-8357Eの設定電圧–|入力電圧|となるので、S-8357E設定電圧が10Vとなるよう抵抗の設定が必要です。このために入力電圧を固定する必要があります。

【S-8353/54】S-8353D反転型出力回路にて、VDD端子をトランジスタでON/OFFさせた場合、VDDをOFFした時に電池側よりS-8353Dに流れこむ電流はあるでしょうか?

リーク電流以外はありません。VDD端子オープンにてIC消費電流よりVDD=VSSとなり、CONT=オープンとなります。VOUT→VDDに寄生ダイオードを介し数MΩのルートはありますが、VOUT<VDDの電圧関係よりVDD端子には流れ込みません。

【S-8353/54】S-8354A50MCでの標準回路の構成にて動作させたとき、出力側の電圧 Vout が 5V ある状態で、入力側電圧 Vin が 0V となっても IC は大丈夫か?

問題ありません。
S-8353/54シリーズではICの電源はVout側からとっているため、基本的にVin電圧が変化してもICに直接影響するものではありません。

<参考>
S-8353DおよびS-8354DはICの電源端子VDDを持っているので、VDD分離型と呼んでいます。これらのICにおいてはVoutからVDDへの順方向のダイオードは付いてないので、ご質問の状況になった場合でもICは大丈夫です。

【S-8351/8352】軽負荷時に音がします。チーとかビュイーという感じの音を消す方法は?

まず、スイッチング周波数が可聴周波数以上になるようコイルのL値を大きくする方法(22µH~1mH)があります。
ただし、L値を大きくするとこのスイッチングレギュレータから取れる最大負荷電流が減少しますので、注意が必要です。

上記の対策でだめなら、音鳴りの小さくなる、以下のコイルに変えるしかありません。

  • 電流容量の大きなものを使う
  • 開磁タイプを使う

尚、コイル鳴りは磁界の変化によりフェライトが収縮することで起き、特にコイルと基板の共鳴により増幅されので、コイル実装の工夫でもコイル鳴りを小さくできます。

【スイッチングレギュレータ】電子ボリュームは8ビットの分解能があると記されていますが、実際に動作させるとフルに8ビットの分解能はないようです。どのように理解すれば良いでしょうか?

直線性誤差の考え方

仕様における直線性誤差の定義には3種類あり、理解しづらいです。ここでは、3種類をそれぞれ分け説明します。

①電子ボリュームデータが0~237まででのSPEC

電子ボリュームデータ=0のときの出力電圧実測値と、電子ボリュームデータ=127のときの出力電圧実測値を直線でむすび、電子ボリュームデータが0~127のあるビットにおける測定値と出力計算値との差である直線性誤差。この条件でのSPECは、±23.5mVです。

②電子ボリュームデータが128~255まででのSPEC

電子ボリュームデータ=128のときの出力電圧実測値と、電子ボリュームデータ=255のときの出力電圧実測値を直線でむすび、電子ボリュームデータが128~255のあるビットにおける測定値と出力計算値との差である直線性誤差。この条件でのSPECは、±23.5mVです。

③電子ボリュームデータが0~255まででのSPEC

電子ボリュームデータ=0のときの出力電圧実測値と、電子ボリュームデータ=255のときの出力電圧実測値を直線でむすび、電子ボリュームデータが0~255のあるビットにおける測定値と出力計算値との差である直線性誤差。この条件でのSPECは、±93.8mVです。

【スイッチングレギュレータ】負荷を大きくしても最大デューティー比 (MaxDuty) までデューティー比が大きくなりません。どうしてでしょうか?

動作モードが連続モードに入っているためと考えられます。連続モードに入る時の条件は、入力電圧と出力電圧で決まります。連続モードに入ってしまうと負荷が大きくなってもデューティ比は大きくなりません。

【スイッチングレギュレータ】スイッチングレギュレータ(DC-DCコンバータ)の出力電圧を下げる原因にはどんなものがあるでしょうか?

まず懸念されるのが、出力電流駆動能力ぎりぎりの設定であることが考えられます。VINが低いときに顕著であれば、可能性大です。これが原因であれば、外付けバイポーラTrのhFE(小)やベース抵抗Rb値(大)等が大きく効きます。その他、インダクタのL値(大)やスイッチングレギュレータの周波数(高)等も若干効いてきます。出力電流駆動能力が十分あるのに出力電流大で出力電圧が低下するのであれば、負荷安定度の特性自身の問題です。2つの原因が考えられます。

(1)基板パターン

出力電流が大きな領域での出力電圧の低下は、基板パターンによって大きく変わってくることがわかってます。よってますます基板パターン依存がないか調べる必要があります。

(2)出力容量

理想的な基板パターンだったとすると、次に考えられるのは出力容量です。出力容量が適切でないものを選んで使用すると、出力電流が大きな領域で出力電圧低下が顕著に出る場合があります。例えば出力容量を2個パラに増やして効果がでるようなら、この原因です。スイッチングレギュレータの制御は出力容量の特にESRに大きく影響されます。経験的に、出力電流大での出力電圧低下にはESRの小さな種類のタンタル電解コンデンサに変えたり、出力容量値を大きくすることで低下を抑える効果を得ることがわかってます。

【スイッチングレギュレータ】常時ICに出力電圧(今回は3.5v)より高い電圧(例10V程度)が印加されても問題無いでしょうか?

基本的に入力電圧(CONT端子)、出力電圧(VOUT端子)それぞれ9V以下の印加であれば、問題ありません。
ICの動作を保証する電圧範囲内ですから異常な電流が流れることはありません。

<参考>
絶対最大定格の11Vは、この電圧がICに印加(DC)されても破壊しないと言うものです。この時ICの動作を保証するものではありません。よって、11V印加では、異常な電流が流れたり、外付TRSがオン(EXT=VDD)する可能性がないとはいえません。

【スイッチングレギュレータ】出力電圧値を抵抗分割によって調整できない昇圧型スイッチングレギュレータ(DC-DCコンバータ)を無理に調整して使うとどうなりますか?

分割抵抗により通常の FET ではゲートチャージ電流が VOUT → EXT → FET ゲートに流れてしまい VOUT の電圧に影響してしまいます。お勧めできません。

【スイッチングレギュレータ】出力電圧値を抵抗分割によって調整できる エイブリックの昇圧型スイッチングレギュレータ(DC-DCコンバータ)はどれですか?

ABLICの昇圧型スイッチングレギュレータではスイッチングレギュレータ自体の電源端子を持っている製品であれば、出力電圧値を抵抗分割によって調整できます。具体的には次の通りです。

  • S8353 シリーズの D , J タイプ
  • S8354 シリーズの D , J タイプ
  • S8355 シリーズの全て
  • S8356 シリーズの全て
  • S8357 シリーズの E , J , G , P タイプ
  • S8358 シリーズの E , J , G , P タイプ
  • S8340 シリーズおよび S8341 シリーズ B , D タイプ

【スイッチングレギュレータ】Cin とCout にアルミ電解コンデンサは使えないでしょうか?

Cinは問題ありません。

出力コンデンサ(Cout)は,リップル電圧の平滑用のために、ESR(EquivalentSeriesResistance)の小さな,大容量のコンデンサを選定してください。コンデンサ値は10µFmin.です。特に、低温特性やリーク電流特性等に優れたタンタル電解コンデンサの使用を推奨します。たとえば、ニチコン製のF93シリーズを推奨します。

Coutにアルミ電解コンデンサを用いた場合、使用条件や配線によって、誤動作する場合があります。

できるだけタンタル電解コンデンサをご使用下さい。アルミ電解コンを使用する場合は、データシートの注意事項にもありますように、リップル、スパイクノイズの影響を実機で評価してご使用ください。またアルミ電解コン使用においても、IC近傍のVOUT−VSS間に0.1uF程度のセラコンを付けることで誤動作回避できる場合もあります。

【スイッチングレギュレータ】反転型のスイッチングレギュレータ(DC-DCコンバータ)はどれですか? スイッチングレギュレータ(DC-DCコンバータ)で負電圧はつくれますか?

負電圧専用のスイッチングレギュレータは現在ありません。しかし、昇圧型のスイッチングレギュレータを用いて、負電圧を出力することができます。

反転型スイッチングレギュレータの回路

ICへの電源はVDD端子から供給されますのでスタート回路は必要ありません。またVIN電圧は9V-|VCC電圧|以下としてください。

VCCが-2Vの時はS-8353D20MCを、-3Vの時はS-8353D30MCを、-5Vの時はS-8353D50MCを抵抗RA,RBなどで
VOUTをグランドに接続して御使用下さい。

外付け抵抗Rbは60Ω以上、REは6KΩ以下として下さい。またREは大きい程RE,Rbに流れる無効電流が少なくなり、効率が良くなりますが、反対に大き過ぎると外付けトランジスタTrのスイッチング損失が大となり逆に効率が悪化しますので、使用条件にて効率が大きくなるようREを選んでください。

【スイッチングレギュレータ】スイッチング電源回路に付加されるスイッチングレギュレータ(DC-DCコンバータ)入力側の LC フィルタの役割や影響について説明してください。

LCフィルタには、スイッチング電源の電圧変動を迎える効果があります。スイッチングレギュレータのオン電流の変動に対してLCフィルタがない場合、電源には「電源の直列抵抗」×「オン電流」でのリップル電圧変動が発生します。LCフィルタが有る場合には、Lを介してCに変動の少ない電流で電荷を蓄え(Lには電流変動を抑える働きがあります。)、Cからスイッチングレギュレータのオン電流を供給することになり、電流のリップル電圧変動を抑えることができるのです。一方、次の点に注意しなければなりません。

  • スイッチングレギュレータに対する入力電圧(LCフィルタ後)は変動しやすくなります。
  • Lの等価直列抵抗値が大きい場合(数百mΩ以上)には、等価抵抗値と入力電流での発熱による効率ダウンがあるということ。
  • 等価直列抵抗とCによってRCフィルタを形成し、スイッチングレギュレータの入力電圧(LCフィルタ後)が、電源電圧(LCフィルタ前)により低下し、出力電流値が結果として減ってしまうこと。

【スイッチングレギュレータ】スイッチングレギュレータ(DC-DCコンバータ)のリップル電圧を小さくしたいのですが、外付け部品の選択をどうすれば良いでしょうか?

下表の「スイッチングレギュレータの主要特性と外付け部品の関係」を参照してください。

【スイッチングレギュレータ】スイッチングレギュレータ(DC-DCコンバータ)の効率を良くしたいのですが、外付け部品の選択をどうすれば良いでしょうか?

下表の「スイッチングレギュレータの主要特性と外付け部品の関係」を参照してください。

【スイッチングレギュレータ】スイッチングレギュレータ(DC-DCコンバータ)の出力電流値を多く取りたいのですが、外付け部品の選択をどうすれば良いでしょうか?

下表の「スイッチングレギュレータの主要特性と外付け部品の関係」を参照してください。

【スイッチングレギュレータ】スイッチングレギュレータ(DC-DCコンバータ)を使用した回路で、コイルに流れるピーク電流を下げるにはどうしたら良いでしょうか?

コイルのインダクタンス値を大きくし、スイッチング周波数を上げ、Iout 値を小さくします。ピーク電流値は、回路シュミレーションをして確認してみてください。

【スイッチングレギュレータ】高い効率を得るには?

以下の注意事項等をご確認ください。

  • 使用するコイルについては許容(定格最大)電流を調べ、コイルのピーク電流以上であることを確認してください。(許容電流以上となると磁気飽和を起こし効率が悪化します)
  • 外付けダイオードは、VF特性が小さく、ファーストリカバリー時間の早いものを選んでください。
  • 出力容量COUTの等価直列抵抗ESRは、効率に大きく影響するので小さいものを選んでください。
  • スイッチングトランジスタ外付けタイプは、ベース抵抗RB(EXT端子-外付けトランジスタベース間抵抗)の値によりオン抵抗値が変わり(RB大にて効率悪化)、効率に影響するので注意してください。またRB値が小さいと消費電流が大きくなり効率が悪くなるケースがあるので、注意が必要です。

【S-809XXC】S-809xxCシリーズの外部リセット回路について教えてください。

出力信号が “H”出力期間中は、CD端子は容量Cを放電するためGNDレベルとなり、CD端子を“L”にしてもリセットされません。
したがって、外部リセットを実現するには、OUT端子を強制的に“L”にします。
以下に外部リセット回路の例を示します。

【S-808-1000】パワーオンクリア回路の遅延時間算出方法

S-808xxCNあるいはS-1000Nxxを用いてパワーオンクリア回路を構成した場合の遅延時間(パワーオンクリア時間)は、下記の式に定数を代入する事で求める事が出来ます。

注意:
発振防止のため

  • S-808xxCNでは、Rは75KΩ以下にしてください。
  • S-1000Nxxでは、Rは75KΩ以下およびCは0.01μF以上としてください。(Cを接続しない場合は、Rは800Ω以下としてください。)

電源電圧の立ち上がりスピードによってはディテクタが最低動作電圧以下の不定領域で一瞬”H”を出力することがありますので、ご注意ください。
なお、S-809xxCシリーズあるいはS-801シリーズは遅延回路内蔵のため簡単にパワーオンクリア回路を構成することができます。詳しくは各製品のデータシートをご覧ください。

【S-808, S-809 共通】ボルテージディテクタ(リセットIC)の解除電圧は温度によってどのように変化するのでしょうか。

解除電圧の温度特性は以下の式であらわされます。(データシートにも記載してあります。)

従って、解除電圧の温度係数は、検出電圧の温度係数と同符号の特性となります。
2.5V検出品では25°Cにおける解除電圧は2.5×0.98×1.03=2.5235Vから2.5×1.02×1.08=2.7540Vの間となります。
85°Cにおける解除電圧は、検出電圧の温度係数の最大値が±0.87mV/°Cなので、
+VDET(+85°Cで係数が負の場合)=2.5235-0.87E-3x(85-25)x1.03=2.4697Vから
+VDET(+85°Cで係数が正の場合)=2.7540+0.87E-3x(85-25)x1.08=2.8104Vの間となります。

【S-809xxC】S-809XXC シリーズにて電源瞬断又はOFF 時に解除遅延用コンデンサーをディスチャージするためのダイオードを付ける必要はないのか?

一般的に放電用ダイオードは図-1に示すようなCRリセット回路において、解除遅延用コンデンサーの電荷をダイオードDを通して放電し解除時に十分な解除遅延を確保する目的で使用されます。S-809XXCは図-2に示すように解除遅延動作時以外はIC内部の放電用回路で解除遅延用コンデンサーの電荷を放電しているので、外付け放電用ダイオードは必要ありません。

【S-809xxC】S-809XXCシリーズにて検出遅延時間用コンデンサーと並列につけたSWをONしてリセット信号をつくれるか?

図-1のように、CD端子を外付けSWで強制的にGNDに接続してもリセット信号は生成できません。
図-2のブロック図のようにCD端子を強制的にGNDに接続してもリセット信号が生成する回路構成にはなっていません。図-2のようにCD端子は通常GNDレベルでありVDDが解除電圧を超えた場合のみトリガがかかり、CD端子に接続した解除遅延用コンデンサーに充電が始まり電圧が上昇します。
そしてある電圧に達したところでOUT端子をHi(Nch品はHiZ)にし解除遅延時間をもたせています。
リセット解除後、ただちに解除遅延用コンデンサーをディスチャージしGNDレベルに戻します。

【S-808xxC, S-809xxC 共通】ヒステリシス幅を大きくする方法は?(その3)(検出電圧変更回路においてヒステリシス幅を大きくする方法)

検出電圧変更回路を使用したアプリケーションにおいてヒステリシス幅を大きくする回路例を示します。

図-1を例に説明します。RUP→R2→R3 経路の逆流を防止するダイオード D1 が必要となります。IC 設定の検出電圧を −Vdet 、IC 設定のヒステリシスをVHYS 、D1 の順方向電圧をVf とします。検出時は VDD を R1 と R3 で分圧した電圧を IC 設定の検出電圧と比較することになるので

VDD が動作上の検出電圧以下となり出力が Low レベルになると図-1の回路は図-3の回路と等価となります

となります。図-2の回路も同様です。

R1,R2 設定値の注意としては発振対策のため R1<75kΩとする必要があります。また R1 が大きい程、検出電圧が消費電流×R1 電圧分ずれ、検出精度を落としますので R1,R2 の設定値はなるべく小さい値(数kΩ程度)をお奨めします。

【S-808xxC, S-809xxC 共通】ヒステリシス幅を大きくする方法は?(その2)(入力と出力の電源を別にする使い方においてヒステリシス幅を大きくする方法)

入力と出力の電源を別にする使い方において、検出電圧はIC設定値のままで解除電圧のみを高くしヒステリシス幅を大きくするための回路例を示します。

となります。R1,R2設定値の注意としては発振対策のためR1<75kΩとする必要があります。
またR1が大きい程、検出電圧が消費電流×R1電圧分ずれ、検出精度を落としますのでR1,R2の設定値はなるべく小さい値(数kΩ程度)をお奨めします。

【S-808xxC, S-809xxC 共通】ヒステリシス幅を大きくする方法は?(その1)

ボルテージディテクタで希望のヒステリシス幅の製品がない場合、外付け回路で解除電圧を高くし、ヒステリシス幅を大きくすることができます。以下にヒステリシス幅を大きくするための回路例を示します。

となります。
R1,R2設定値の注意としては発振対策のためR1<75kΩとする必要があります。またR1が大きい程、検出電圧が
消費電流×R1電圧分ずれ、検出精度を落としますのでR1,R2の設定値はなるべく小さい値(数kΩ程度)をお奨めします。

【S-801, S-809xxC 共通】検出電圧、解除電圧付近で入力が変動した場合の動作はどうなるのか?

検出電圧、解除電圧付近でVinが変動した場合の動作をCMOS(アクティブL)出力を例に図-1で説明します。1.VDDが低下して-Vdet以下になるとOUT出力は‘L’を出力し検出状態となります。VDDとの比較電圧を+Vdetに切り替えるのでVDDが上昇して-Vdet付近で変動しても、VDDの電圧が+Vdet以下なら解除状態とはなりません。
(Aの期間)

2.VDDが上昇して+Vdetを超えるとVDDとの比較電圧を-Vdetに切り替えます。よって+Vdet付近でVinが変動して-Vdet以下にならなければ、検出動作はしません。解除遅延時間後(td)にOUT出力は‘H’を出力し解除状態となります。(Bの期間)

オープンドレイン出力の場合には、出力はハイインピーダンスとなります。

【S-801, S-808xxC, S-809xxC 共通】出力をVDDと短絡したらICは壊れるか?

出力はMOSTrで構成されているためバイポーラTrのような熱暴走から素子破壊に至ることはありません。しかしVDDとの短絡またはスーパーキャパの接続でパッケージの許容損失を超えるような電流が流れると、破壊に至るので注意が必要です。

S-80960ALを例に取り許容損失を超えるケースを説明します。データシートのIout-Vds特性より、VDD=6Vのとき出力に5Vを印加しますと約50mAの電流が出力NchTrに流れます。このときの損失はP=5(V)×50(mA)=250mW となり絶対最大定格の150mWを超えてしまい、最悪破壊する可能性があります。

【ボルテージディテクタ】Nchオープンドレイン出力にて最低動作電圧時に出力Hiにならないようにするには?

最低動作電圧にて出力 Hi となるのが問題の場合、Pch トランジスタを外付けすることにより対応できます。

VDD が低下し検出電圧以下になると Nch オープンドレイン出力は ON となり OUT は Low となります。
さらに VDD が低下し外付け PchTr の閾値以下になると外付け PchTr はオフとなり Rup 抵抗が VDD から切り離されますので、VDD がボルテージディテクタの動作電圧 MIN 値以下になって NchTr が動作しなくなってもOUT は Hi(VDD) になりません。外付け PchFET 選択時の注意点は、閾値電圧がボルテージディテクタの最低動作電圧より高いものを選択する必要があります。
但し、この場合、出力(OUT)は VSS とはなりませんので注意が必要です。

【ボルテージディテクタ】Nch オープンドレイン出力のプルアップ抵抗が大きい時の注意点は?

プルアップ抵抗を大きくした時の注意点は
注意1.解除時の出力電圧(プルアップ抵抗で Hi を出力)がオフリーク電流により低くなる。
注意2.出力端子(次段の入力端子)がノイズの影響を受けやすくなる。
の 2 点です。

注意1 図-1に Nch オープンドレイン出力品の回路を示します。ボルテージディテクタが解除状態のとき M1 は OFF
となり 外付けプルアップ抵抗 Rup で OUT 端子は Hi(VDD)を出力します。このとき M1 にはオフリーク電流
ILEAK が流れ、プルアップ抵抗 Rup の両端に ILEAK×Rup の電圧降下(Vdwn)が発生します。
よって OUT 端子の電圧は

Vout = VDD −Vdwn = VDD − ILEAK×Rup

となります。S-808XXC を例にとると、データシートより最大 ILEAK=0.1μA となりますので、仮に Rup=10M Ω
をつけた場合 Rup での電圧降下 Vdwn は

Vdwn = 0.1(µA)×10(MΩ) = 1(V )

となり Vout の電圧は VDD から 1V も低くなりますので接続先の IC の入力で Hi レベルの認識ができなくなる可能性があります。

注意2 OUT 端子のインピーダンスが高くなるのでノイズの影響を受けやすくなり、誤リセットがかかる可能性があります。 以上の注意点より Rup 以上の注意点より Rup の推奨値は 100k の推奨値は 100kΩです。

【ボルテージディテクタ】Nch オープンドレイン出力のプルアップ抵抗が小さい時の注意点は?

プルアップ抵抗を小さくした時の注意点は
注意1.検出時に出力端子電圧が上昇してしまう。
注意2.プルアップ抵抗を流れる電流が増大(=検出時の電池側から見た消費電流の増大)する。
の2点です。

注意1

VDDが検出電圧以下になると、OUT=‘L’を出力するために、内部の出力NchTrはONとなります。この時、出力には電源電圧VDDをプルアップ抵抗とNchTrのON抵抗によって分圧された電圧が出力されます。
よってプルアップ抵抗が小さすぎると、‘L’レベルが上昇してしまうことになります。
S-80860CN VDD=2.4Vの時を例にとり、OUT-VDD間のプルアップ抵抗10KΩと1KΩの時の‘L’レベル出力電圧の違いを示します。出力電圧は図-2、図-3に示すようにM1のVds-Id特性(S-808XXCシリーズデータシートに記載)とプルアップ抵抗の負荷線の交点から求めます。図-3は図-2の網掛け部の拡大図です。図-3よりVds-Id特性(青線)と10KΩプルアップの負荷線(赤線)との交点から出力電圧を読み取ると約20mV、1KΩプルアップの負荷線(水色)の場合は約200mVとなり、10KΩプルアップに対し‘L’レベルが約10倍高くなります。
この‘L’レベルがボルテージディテクタの接続先のICの入力で十分に‘L’と認識されるレベルであれば問題ありませんが、プルアップ抵抗値が小さすぎ‘L’レベルが高くなり過ぎると接続先のICの入力で‘L’と認識できなくなってしまいます。

注意2

注意1と同様に図-3から各プルアップ抵抗の負荷線とVds-Id特性との交点から出力電流(Rupを通して流れる電流)をよみとると10KΩ時、約0.22mAに対し1KΩ時は約2.2mAと約10倍になっていて検出動作時の電池側から見た消費電流が大きくなます。

以上の注意点よりRup以上の注意点よりRupの推奨値は100kΩです。

【ボルテージディテクタ】ボルテージディテクタ(リセットIC)でヒステリシス幅が固定されているものはありますか。

S-801シリーズではヒステリシス幅はすべての検出電圧に対し、60mV(最大100mV)と設定されています。
いままでのS-808シリーズおよびS-809シリーズではヒステリシス幅は検出電圧に依存していました。
S-801シリーズではパッケージやピン配置はS-808シリーズおよびS-809シリーズと異なりますので、データシートで詳細をご確認下さい。

【ボルテージディテクタ】ボルテージディテクタ(リセットIC)のヒステリシスを外部回路で大きくすることはできますか。

下記の回路でヒステリシスを大きくすることが可能です。
検出電圧=ICの検出電圧
解除電圧=ICの解除電圧×(R1+R2)/R2となります。

注意事項 : R1<75kΩとして下さい。
検出電圧が消費電流によりずれる可能性あるので、数kΩ程度を奨めます。

【ボルテージディテクタ】CMOS出力のボルテージディテクタ(リセットIC)の入力(電源)にスパイクが入った場合、出力はどうなるでしょうか。(スパイクの振幅はVDD-VSS)

基本的にはどの幅のスパイクにも反応します。
Vssとなるスパイク時間の間は、出力VOUTはCMOS出力のPch側の寄生ダイオード (VOUTからVDDに流 れる) を介しVssに引かれます。(寄生ダイオードの反応時間は十分早い (たぶん数十nS程度) ) これは、CMOSボルテージディテクタを使用する以上避けられない問題です。
対策としては、Nchオープンドレイン品使用を推奨します。Nchオープンドレイン品であれば、寄生ダイオードが付加されず、Vssとなるスパイク時間の間は、出力VOUTがオープンとなるので、外付けCoutで出力電圧の保持が出来ます。

【ボルテージディテクタ】ボルテージディテクタ(リセットIC)の遅延時間が通常のトランジスタなどに比較して大きいのはどうしてですか?

ABLICのボルテージレギュレータは低消費電流を実現する為、内部回路電流を絞っています。 電流を絞った分、内部回路が遅延するので、その分だけ出力も遅くなります。しかし、ボルテージディテクタの動作としては問題になりません。

【ボルテージディテクタ】ボルテージディテクタ(リセットIC)のNチャンネルオープンドレイン出力品を1MΩでプルアップした場合のダイナミック応答特性はどうなりますか?

出力”L”→”H”への遅延時間は外付けCRに依存しtとCRは比例関係にあります。よって、RL=1MΩの場合はデータシートに記載のRL=100kΩから一桁上(遅い方向)になります。また”H”→”L”は外付けCとIC内部Nchトランジスタのドライバビリティーで決まるのでRに依存せず、データシート記載のRL=100kΩと同様になります。

【ボルテージディテクタ】ボルテージディテクタ(リセットIC)で電圧解除時の解除電圧出力の立ち上がり時間は何によって決まるのでしょうか?

基本的にボルテージディテクタの出力に付いている容量成分Cによって時間が変わってきます。
各ボルテージディテクタのデータシートには出力に容量が付いた場合の応答特性が記載されていますのでご参照下さい。
下図に1例を示します。(S-801シリーズCMOS出力品の例)

【S-808】パワーオンリセット回路の誤パルス発生のメカニズムと対策方法について

データシートの■応用回路例 パワーオンリセット回路の追加にて記載のパワーオンリセット回路では、電源急峻立ち上げ時にIC不定領域特性による誤パルスを対策することができます。以下に、誤パルス発生メカニズムと対策回路を記るします。

V/D には通常不定領域が存在します。V/D 入力電圧VINを下げていくと出力プルアップ抵抗 RUP の電流を流せなくなり、V/D 出力電圧 VOUT が本来の LO ではなく HI となってしまいます。パワーオンリセット回路は、電源 VDD 投入において RC の時定数で V/D 入力電圧 VIN の上昇を遅らせ、V/D の解除電圧 VDET+ に達するまでの時間解除信号を遅らせるものですが、V/D 入力電圧 VIN の上昇において、出力プルアップ抵抗 RUP の電流を流せない不定領域を通るため、解除信号としての誤パルスを出力してしまいます。

【S-809】S-809シリーズの遅延係数は、どの様な分布をしているのでしょうか?

ある標準的なCMOS出力品のウェハでは下図のようになりました。
正規分布で近似した場合、中心値は22.2mS,3σは2.85mSでした。(ねらい値は24msですのでこのウェハでは短い方に分布が寄っています。)

【S-809】S-809シリーズでは、CD端子に電源瞬断又はOFF時のコンデンサ電荷をディスチャージするためのダイオードを付ける必要はいのでしょうか?

付ける必要はありません。内部回路で放電されます。S-809シリーズは、解除時(VDD=Lo→Hi)に遅延がつきますが、検出時(VDD=Hi→Lo)には遅延がつきません。
検出状態(CD端子=Lo)から解除状態(CD端子=Hi)となると、すぐに内部回路にてCD端子を放電します。
(CD端子=Loとしても解除状態は保持されます。)よって検出動作をする際は、コンデンサ電荷をディスチャージするための時間は必要ありません。

【S-808】S-808シリーズの入力端子(VDD)に負電圧を印可した場合破壊するでしょうか。破壊する場合対策は可能でしょうか?

破壊については、バラツキや温度等考慮しての評価および保証はしておりません。標準サンプルで常温にて試験した結果では、–1Vの負電圧では破壊はしませんでしたが、–5.5V (100ms) 程度の負電圧印可にて破壊しました。対策としては、VDD-VSS端子間に負電圧印加にて壊れない保護ダイオードの追加が有効と考えます。

【S-808】ボルテージディテクタ(リセットIC)S-808シリーズで検出精度を1%にすることは可能でしょうか?

S-808シリーズでは条件により検出精度を1%に上げることが可能です。販売窓口にお問い合せ下さい。

【VR全般】低電流負荷時の出力電圧上昇を防ぐ方法はありますか?

低負荷時にはレギュレータ内のトランジスタを高インピーダンスにする必要があります。しかし、トランジスタにはリーク電流があるため、低負荷時の制御ができなくなります。その結果、出力電圧が上昇します(具体的な値については、各製品のデータシートを参照してください)。
この現象はシリーズレギュレータの構成上、避けることはできません。ダミーの負荷抵抗をつけるなどの対策が必要です。

【S812CXX】SNT-6A(H)パッケージ品にはVIN端子が2つ(2番ピンと5番ピン)ありますが、これは同じ機能の端子ですか?

同じ機能の端子です。
VIN端子が2つあるのは、放熱対策のためです。
S-812Cxxシリーズは、入力電圧が16 Vmax.と高いため、ICでの損失電力が大きくなり高温になる可能性があります。2つのVIN端子はそれぞれ基板に接続するように実装してください。

【S-814/S-818】S-814シリーズあるいはS-818シリーズを用いてブースト回路を構成できますか?

S-814+トランジスタによるブースト回路より、S-816+トランジスタによるブースト回路のほうが、特性(過渡応答,ドロップアウト電圧)やコストで有利です。よってあえてS-814あるいはS-818を用いたブースト回路はお奨めしていません。

【S-814/S-817/S-818】出力電流が「0」の場合でも、使用することができますか。

無負荷での使用においては高温時に電圧が上昇してしまうことがあります。
無負荷時に設定値の±2% 保証は難しいです。
S-814シリーズの評価において、ワーストサンプルではTa=85℃時にIout=10mAより少ない領域で出力電圧の上昇する現象が確認されています。
従って、S-814およびS-818シリーズでは、10mA以上、S-817シリーズでは1mA以上の電流を流しての保証となります。
データシートの電気特性では負荷安定度として実用上使用できる範囲が規定されています。

【S-814/S-817】S-814、S-817の入力側に接続するコンデンサは必ず付けなければならないのでしょうか?必ず付けるのであればどの位の容量が良いのでしょうか?

入力側の電源および入力ラインインピーダンス(Rin)が理想的にゼロであれば、入力容量は要りません。し
かし実際には、電源および入力ラインインピーダンス(Rin)は少なからずインピーダンス成分を持っており、
ここにスイッチング電流が流れることで電圧降下(リップル)が現われ、入力電圧が変動し種々の悪影響が現
われます。

入力容量は、この電圧変動(リップル)を平滑する役割があります。適正な入力容量は、Rin値やボルテージ
レギュレータの使用条件(VIN,Vout,Iout等)によって大きくかわりますので、実機での確認が必要になります。
特にデータシート記載の入力容量なしで発振の注意記載は、ボルテージレギュレータ出力が発振すること
を不可とした場合、全使用条件範囲にて、Rinが大きな値を取り得る時、入力容量が必要という意味合いで
す。

評価では、
S-814→Rin>10Ω,入力容量なしで発振の可能性がある。
S-817→Rin>10Ω,入力容量なしで発振の可能性がある。
との結果を得ています。

【ボルテージレギュレータ】ボルテージレギュレータ(LDOレギュレータ)の効率はどのように求めるのでしょうか?

一般に効率は、利用されたエネルギの全エネルギに対する比として求められます。定常的な状態では全エネルギの代わりに1秒当りのエネルギ、即ちパワーの比として求めることができます。電気が関係する場合はパワーは電力ですので、以下の式で効率を求めます。

レギュレータの場合、出力電流は入力電流からレギュレータ自身で消費される電流を引いたものですが、通常この値は出力電流に比べ小さいので無視されます。(出力電流»入力電流) この場合効率は

となり、非常に簡単に求めることができます。正確に計算する場合はレギュレータの消費電流を考慮して下さい。
この式から、ボルテージレギュレータでは入力電圧と出力電圧の差が大きいほど効率は下がることが分かります。

【ボルテージレギュレータ】短絡保護回路とは?

たとえば、S-817シリーズは、VOUT-VSS端子間の短絡から出力トランジスタを保護するために、短絡保護回路を内蔵してます。
短絡保護回路は、VOUT電圧に対して出力電流を制御し、VOUT-VSS端子間が短絡した場合でも出力電流を約40mAに抑えます。

但し、短絡保護回路は加熱保護を兼ねるものではありませんので、短絡条件も含めご使用の条件におけるICの損失が、パッケージの許容損失をこえないように、入力電圧、負荷電流の条件に十分注意してご使用ください。

短絡していない場合でも、大きな電流をとり、かつ入出力の電圧差が大きくなると、出力トランジスタを保護するために短絡保護回路が働き、電流が所定の値に絞られます。

【ボルテージレギュレータ】低飽和型ボルテージレギュレータ(Low Dropout Voltage Regulator)って何?

ボルテージレギュレータには出力トランジスタ(パストランジスタとも呼ばれます)が内蔵されています。
この出力トランジスタに低オン抵抗のトランジスタを用い、このトランジスタによる電圧降下(ドロップアウト)が非常に小さいボルテージレギュレータです。S-814シリーズおよびS-818シリーズは低飽和型ボルテージレギュレータです。どちらも5V出力品では60mA流す時のドロップアウト電圧は0.17V(TYP.)となっています。

【ボルテージレギュレータ】低飽和型ボルテージレギュレータ(LDOレギュレータ)はどんな所で使われるか?

入力電圧と出力電圧の差が小さく、しかも、必要な電流が大きいときに低飽和型ボルテージレギュレータは使われます。
たとえば、電池をぎりぎりまで使いたい時に低飽和型ボルテージレギュレータは使われます。これは、入力電圧である電池の電圧が下がってきて、出力電圧に近づいてきても一定の電流を供給することができるからです。ドロップアウト電圧は小さいほど電池の寿命が延びたのと同じ効果を生みます。

【S-817】S-817では、ON/OFF端子がないため、外付けで推奨できる回路を教えて下さい。

以下に1例を示します。
応用される場合は実機あるいは実機に近い環境で評価し、問題のないことをご確認下さい。

【S-817】S-817シリーズのドロップアウト電圧は出力電圧で0.5V毎に設定されていますが、その範囲内では一定ということでしょうか?

S-817シリーズのVdrop規格は出力電圧(Vout)が約500mV毎に一つの規格値となっておりますが、これは該当するうちの最小のVoutに対応する値を掲載しております。
例えばVoutが3.0~3.4Vの場合、typ規格の0.25Vおよびmax規格の0.41Vは3.0V品のVdrop規格値です。したがって3.4V品であれば、実力は表記規格よりさらに小さい値となります。VdropはVoutと相関がありますので、この二つのパラメータについて電特表の数値をグラフ化することで、ご使用になられる電圧帯のVdrop実力値が外挿できます。

【S-817】S-817シリーズにおいて、0.1μF以上のコンデンサ使用と記載してありますが、全温度範囲で発振等の不具合はおきないのでしょうか。

全温度範囲で問題ありません。-40~85°Cの温度範囲において発振の問題が無いことを確認しております。
ただし、使用されるコンデンサの温度特性は含みません。

【S-817】基準電圧として使えるか?

使えます。
S-817は入力安定度に優れており、低負荷時の出力電流がIOUT=1μAしか流さなくても出力電圧は5MV TYP.
しか変化しません。(入力電圧が変化しても)よってA/D変換器等のリファレンス電圧として、レギュレー
タの出力電流をほとんど流さない様なアプリケーションにも使えます。

【S-817】出力コンデンサとしてセラミックコンデンサが使えるか?

使えます。
S-817は内部位相補償型レギュレータで、出力コンデンサのESRが小さくても安定して動作致します。
よって、低ESRのセラミックコンデンサの利用が可能です。
但し、セラミックコンデンサの条件は0.1µF以上、ESR30Ω以下です。

【S-817】入力コンデンサ、出力コンデンサは必要ですか?

出力側は必要です。入力側は条件によっては使用しなくても良いこともあります。
出力側は出力負荷が変化しても安定に動作させるために出力コンデンサのESRを使って位相補償を行ってい
ます。よって必ず必要となります。
出力コンデンサはセラミックコンデンサが使用可能ですが、0.1μF以上、ESR30Ω以下を接続して下さい。

入力側コンデンサの要不要は入力電源の特性で決まるので、実機で評価の上、決めることが必要です。

【S-817】S-817シリーズを用いて大電流を流したいがどうすればいい?

大電流を流すには、PNPトランジスタを追加することで実現できます。
方法は下記のとおりです。

応用回路

1. 出力電流ブースト回路
図7のようにPNPトランジスタを追加することで、出力電流を増やすことができます。
入力電圧VINとS-817電流端子VIN間に、PNPトランジスタを十分オンできるようなベース、
エミッタ電圧VBEを確保できれば、出力電圧VOUTがS-817 で設定されている電圧になるように
PNPトランジスタのベース電流を制御します。外付け回路部品選定のポイントは次のとおりです。

PNPトランジスタTr1は、hFEの大きなもの(おおむね100~400)を推奨します。また使用条件にて問
題のない許容損失のトランジスタを選んでください。抵抗R1は、1k Ω÷VOUT (S) (S-817で設定されて
いる電圧)以上の値を推奨します。出力コンデンサCLは、電源変動、負荷変動による出力変動の改善に
効果がありますが、出力が発振する可能性があります。付加する場合は、必ず出力コンデンサCLと直列
に抵抗R2を追加してください。R2抵抗値は、2Ω×VOUT (S) 以上が目安です。また、S-817電源VIN
とGND端子間コンデンサやPNPトランジスタのベース、エミッタ間コンデンサ等の追加は、出力が発
振する危険がありますので、付加しないでください。

また、図7 の出力電流ブースト回路は、過渡応答特性がよくありませんので、必ず使用条件において電源
投入や電源変動、負荷変動による出力変動が問題ないか確認してからご使用ください。
S-817シリーズの短縮保護回路は、このブースト回路の短絡保護としては働きませんので、ご注意くださ
い。

以下に、図7 の構成での出力電流ブースト回路の入力電圧-出力電圧特性例(Typical データ、Ta=25℃)
を示します。

【S-816】S-816シリーズで、3.3V入力、2.5V/1.5A出力の条件を満足できるバイポーラトランジスタを推奨して下さい。

手元にあったものを評価しましたのでベストというわけには行きませんが、何点か挙げてみます。
まず、2SA1615-Z(NEC PKG=SC63)が挙げられます。
基本的に要求条件を満たすトランジスタは、電流増幅率hFE≧125(at Ic=1.5A),損失Pc≧1.4Wが条件となります。
hFE≧出力電流1.5A/EXT出力シンク電流12mA=125
Pc≧(入力3.37V-出力2.45V)×出力電流1.5A=1.4W

上記の特に損失の制約はパッケージの種類で決まります。
SOT89PKGは、一般的に0.5W(単品)~2W(基板実装)です。
SC63PKGは、一般的に1W(単品)~10W(基板実装)です。

上記条件で、なるべくオーバスペックとならない低周波電力増幅トランジスタとして以下を挙げておきます。

メーカ 型名 Icmax hFE(Ic=2A) hFE(Ic=0.5A) パッケージ 損失(実装条件)
NEC 2SB1571FY 5.0A 160~320 SOT89 2.0W(16×0.7mmセラミック基板使用)
NEC 2SB1615Z 10A 160~ SC63 10W(基板実装時)
TOSHIBA 2SA1984Y 5.0A 160~320 (2-7H1B) 2.0W(基板実装時(SOT89より少し大))
TOSHIBA 2SA1242Y 5.0A 160~320 SC63 10W(基板実装時)

SOT89よりSC63のほうが、パターン設計時の放熱設計上の制約が少なく実現的です。(スペース上、SOT89の方がよければ放熱を考慮した実装を検討することで使用可能です)
TOSHIBA製はIc=0.5AでのhFEしか保証してなく、Ic大でhFEが下がるので、Ic=1.5Aでの実力を確認する必要があります。TOSHIBA製の2SA1984Yは、パッケージ寸法が7×6.7×1.7mmとSOT89(4×4.5×
1.5mm)とSC63(6.5×10×2.3mm)間のもので、hFE実力OKなら使いやすそうです。
詳細は各メーカが発行しているデータシート等でご確認下さい。

【S-816】S-816シリーズの出力容量にセラミックコンデンサを使っても特に問題ないか?

セラミックコンデンサでは発振する可能性があります。
多くのセラミックコンデンサのESR値は10~20mΩ程度です。よって、小さすぎて発振しない推奨のESR
値0.1~5Ωの範囲に入っていません。
もし、セラミックコンデンサを使用するのであれば下図のようにセラミックコンデンサと直列に0.3Ω程
度の抵抗を追加することを推奨します。

【S-816】外付けバイポーラトランジスタの選定ポイントは?

バイポーラトランジスタ選定のポイントとして、まず出力電流が確保できるhFEがあります。
S-816のEXT出力電流は少なくとも10mA(SPEC Imax≦12mAより)は確保できるので、
hFE≧Ioutmax÷10mA
が必要になります。ただし一般に、バイポーラトランジスタのhFEはリニア領域での規定のため入力電圧が
十分高いことが条件になります。

入力電圧と出力電圧に差がない使い方では、飽和領域となりhFEが低下するので、通常上記計算より2倍
以上高いhFEのバイポーラトランジスタを選びます。ここで注意が必要なのは、バイポーラトランジスタの
hFEばらつきは大きいので、ばらつき込みでの考慮が必要です。
つぎにドロップアウト電圧を確保できる飽和電圧特性があります。この飽和電圧特性はベース電流Ibおよ
びコレクタ電流Icのある条件でのSPECとなります。
たとえば、
・2SA1213/東芝:0.5Vmax at Ib=50mA,Ic=1A
・CPH3109/三洋:0.23Vmax at Ib=30mA,Ic=1.5A
です。このSPECをそのまま適用はできません。
一般にバイポーラトランジスタカタログにコレクタエミッタ飽和電圧特性が記載されていますので、これ
を参考にします。

【S-816】出力コンデンサにタンタル電解コンデンサ以外を使っても問題ないか。

ESRの小さいセラミックコンデンサやOSコンデンサを使用した場合、出力が発振する可能性があります。

S-816シリーズを安定動作させる為には、ある適正な範囲のESR(EQUIVALENT SERIES RESISTANCE)を持った
コンデンサを使用する必要があります。
その適正範囲よりESRが大きくても小さくても、出力が不安定になり発振を起こす可能性があります。
したがって、タンタル電解コンデンサを推奨しております。

セラミックコンデンサやOSコンデンサを使用する場合、下図のように出力コンデンサと直列にESRの代わりとなる
抵抗を追加する必要があります。
追加する抵抗値は0.1Ω~5Ω程度必要ですが、使用条件により異なるので十分な評価を行い決定して下さい。
概ね、0.3Ω程度が推奨です。

アルミ電解コンデンサは、低温時にESRが増大し発振を起こす可能性がありますので注意が必要です。
使用する際には、温度特性を含めた十分な評価を行って下さい。

【S-816】レギュレータの出力に不定間隔でノイズが発生する。

レギュレータの出力に、数MSから数秒の不定間隔で発生するノイズの原因として、外付けのバイポーラトランジスタから発生するポップコーンノイズが考えられます。

ポップコーンノイズはバルク動作するバイポーラトランジスタから発生するもので、CMOS構造のS-816シリーズに起因するものではありません。

【S-814】出力コンデンサとしてセラミックコンデンサが使えるか?

使えます。
S-814シリーズは内部位相補償型レギュレータで、出力コンデンサのESRが小さくても安定して動作致します。
よって、低ESRのセラミックコンデンサの利用が可能です。
但し、セラミックコンデンサの条件は容量 0.47µF以上、ESR 10Ω以下です。

【複合】S-87xxxxシリーズに付ける出力側容量のESR値に制限はあるでしょうか?

範囲に限定はありません。
S-87xxxxシリーズのシリーズレギュレータは内部で位相補償しております。
従って、S-816のようにある程度 ESR のある出力容量を必要としません。
容量値は過渡応答で発生するリンギングの大きさが回路上問題とならないように選択して下さい。

【複合】S-87xxxxBUPでS-87xxxxBUPで遅延時間を2秒に設定したいが、可能でしょうか?外付けコンデンサの容量値に上限はあるでしょうか?

外付けコンデンサの値0.33 μFにて1.9sec typ.(1~2.9sec 内) が可能です。 外付けコンデンサ値を上げると、弊害として検出側の遅延時間も大きくなります。 原因は、検出時外付けコンデンサの電荷をディスチャージする (4.5 V → 0 V) 時間がかかるためです。0.33 μFの容量により検出時間に4.5 msec程度の遅れが生ずると見込まれます。このことによる問題がない事をご確認願います。

【パッケージ】パッケージ裏面の放熱パッドの電位固定はどのようにしたらよいですか?
HSON(A), SNB(B), SON(B), PLP

裏面の放熱パッドは銀ペースト(導電性のペースト)を介してICチップ基板に接着されています。
そのため、放熱パッドの状態はICチップ基板電位と同じ、またはフローティングの状態で使用しなければなりません。

* 注意 電極としての使用はできません。

製品名 対象パッケージ名 放熱パッド電位
S-1131 6-pin HSON(A) VSS または オープン
S-1170 6-pin HSON(A) VSS または オープン
S-8355/56/57/58 6-pin SNB(B) VOUT(VDD分離タイプはVDD) または オープン
S-8821 6-pin SNB(B) VSS または オープン
S-8261 6-pin SNB(B) VDD または オープン
S-8242 6-pin SNB(B) VDD または オープン
S-8424A 8-pin SON(B) VSS または オープン
S-8425 8-pin SON(B) VSS または オープン
S-83M355/356 PLP-8B データシート参照

【パッケージ】製品寿命についてはどのように判定していますか?

定期的な信頼性試験において加速試験を行い、製品寿命に相当する時間試験し、製品の耐久性を判定しています。
加速試験には電圧加速、温度加速がありますが、ABLIC ではアレニウスモデルに基づく温度加速試験を行っています。
加速係数は、JEITA 規格 EIAJ ED-4701 に準拠し、以下の計算式により算出します。

(加速係数算出式) L = exp ( Ea / kT2 ) / exp ( Ea / kT1 )

L : 加速係数
Ea : 活性化エネルギー
k : ボルツマン係数
T2 : 実使用温度(絶対温度)
T : 加速試験温度(絶対温度)

具体的には以下の条件を代入しています。
活性化エネルギー 0.5 eV
ボルツマン係数 8.617 × 10 – 5 eV / K
実使用温度 40℃

上記の結果125℃の加速係数は、40℃のときの52倍となります。
したがって、
1000h → 5.9年に相当
2000h → 11.8年に相当

このように、125℃、2000時間の信頼性試験を行うことで、実使用温度での製品寿命を10年以上と判定しています。

【パッケージ】モールド樹脂にリンは使用されていますか?

無機リンについては、ABLIC製品においては使用されていません。
有機リンについては、樹脂硬化促進剤として一部のパッケージで使用されています。

【パッケージ】ラッシュカレントにより、瞬間的に許容損失を越えるときでも使用できますか?

許容損失は1秒当たりの平均電力となります。
ラッシュカレントなどで瞬間的に大電流が流れる場合でも、平均電力が許容損失値以内であれば使用可能です。

  • 本FAQはあくまでもお客様の疑問の参考資料とお考えください。記載された内容とお客様の弊社製品の使用方法との関連について、弊社はいかなる保証、責任も負いかねます。あらかじめご了承ください。
  • 本FAQの内容を弊社に断ることなしに、記載または複製などの目的で使用することは堅くお断りします。
  • 記載情報は不定期に更新や変更いたします。