センサ

ホールICとは?

ホールICとは

  1. ホールICとは
  2. ホール素子の動作原理
  3. ホールICの構成
  4. ホールICの種類
  5. ホールICの検知方式
  6. ホールICの選択方法

エイブリックのホールICのご紹介

ホールICとは

半導体を利用した磁気センサは様々なものがありますが、その中で代表的なのがホール素子です。ホール素子はホール効果(Hall Effect)と言われる電流磁気効果を応用したセンサです。ホール素子は自身から得られる電圧は大変に小さく、一般的にオペアンプなどの増幅回路が必要です。ホールICはホール素子とオペアンプを一体化させたもので、外付け部品点数を削減し、回路設計を容易にします。

ホールICは、単体での磁極判別が可能です。民生から車載用まで幅広い分野で採用されています。主な検知用途は回転検出、位置検出、開閉検出、電流検知、方位検出など多岐にわたります。民生向けでは、洗濯機や冷蔵庫などの自物家電から携帯電話まで幅広く利用されています。車載向けでは、扉や窓の開閉検出はもちろん、車高や速度の検知、モータの回転数検出など数多くのホールICが使用されています。

ホール素子の動作原理

ホールIC にはホール素子が内蔵されています。そのホール素子に電流を流し、電流の向きと直角に磁界(磁石)を近づけると、電流の担い手であるキャリアがローレンツ力の影響を受けます。ローレンツカにより、電流と磁界の向きに対して直角方向の電圧(ホール電圧)が発生します(ホール効果)。ホールIC は、この発生した電圧を検知することにより、磁界(磁石)の存在を検知します。出力される電圧は、磁束密度に比例して増加します。

この直角方向の電圧(ホール電圧)は、フレミング左手の法則から、磁界の向き(N極またはS極)によって電圧の向きが変わります。ホールIC は、この電圧の向きにより磁界の存在だけでなく磁界の向き(N極またはS極)も検知が可能です。

図1 ホール素子の動作原理
図1 ホール素子の動作原理

ホールICの構成

ホールICは、ICに内蔵したホール素子から出力された電圧(ホール電圧)を増幅し、IC内部の回路で信号処理することにより、磁束密度に応じた信号を出力します。
ホールICは、モータなどの回転を検知するための高速動作タイプと、バッテリ動作機器向けの低消費電力タイプの2種類があります。
低消費電力タイプのホールICの内部構成は、表1/図2 のようになっています。

表1 ホールICの構成
ブロック 説明
ホール素子 磁界(磁石)を検知して電圧(ホール電圧)を出力します。
チョッパアンプ ホール素子から出力された電圧(ホール電圧)を増幅します。
スリープ/アウェイク回路 回路の動作、非動作を間欠制御します。
ヒステリシス付きコンパレータ
(比較回路)
出力を制御し、磁束密度に応じて“H”または“L”を出力します。
出力インバータ
(またはNchトランジスタ)
図2 ホールICのブロック図(S-5712シリーズ、CMOS出力品)
図2 ホールICのブロック図(S-5712シリーズ、CMOS出力品)

ホールICの種類

ホールICは、用途に応じて検知方式を選択できます。ここではホールICの代表的な種類を説明します。
ホールICには、磁界の強さに比例した出力電圧が得られるリニア出力タイプ(アナログ出力、デジタル出力タイプ)と、ON/OFF信号が得られるスイッチングタイプ(デジタル出力タイプ)の2種類があります。

ホールICの種類

  1. リニア出力タイプ:ー磁界の強さに比例した出力電圧が得られる
  2. スイッチングタイプ:ON/OFF信号が得られる

 

ホールICの検知方式

ホールIC は磁界を検知するものであり、磁界にはN極とS極があります。ここではN極またはS極のどちらかの片方を検知する「片極検知」、N極とS極を区別なく検知する「両極検知」、N極とS極を交互に検知する「交番検知」、そして、極性が変化するタイミングを検知できる世界初の検知方式「ZCL®検知」の4種類について説明します。交番検知は、磁界の強弱だけでなくホールICの特性であるN極、S極の判別能力を利用したものです。
利用するアプリケーションの種類によって、適切な検知方式を選択していただけます。エイブリックではこの4種類の検知方式をすべて量産中です。

片極検知

片極(N極またはS極)の磁界のみを検知して、磁束密度に応じてON/OFF動作し“ H”または“L”を出力します。

片極検知(S極検知時に“L”品の場合)
片極検知(S極検知時に“L”品の場合)

両極検知

両極(N極とS極の両方) の磁界を検知して、磁束密度に応じてON/OFF動作し“H” または“ L” を出力します。

両極検知(S極またはN極検知時に“L”品の場合)
両極検知(S極またはN極検知時に“L”品の場合)

交番検知

両極(N極とS極の両方)の磁界を交互に検知して、磁束密度と磁界の極性に応じてON/OFF動作し“ H” または“ L”を出力します。

交番検知(S極検知時に“L”品の場合)
交番検知(S極検知時に“L”品の場合)

ZCL®(Zero Crossing Latch)検知

ZCL検知は、ホールICが受ける磁束密度がS極からN極またはN極からS極に切り替わるタイミング、つまり極性が変化するタイミングを検知します。
ブラシレスDCモータ制御に特化した検知方式で、温度変化・製造バラつきによるモータの効率低下を簡単に防ぐことができます。
    ≫更に詳しく「ZCLホールICとは?」
「ZCL」は、エイブリック株式会社の日本における登録商標です。

世界初の検知方式が、モータ設計者の負担を軽減します。
ZCL®(Zero Crossing Latch)ホールICを使うメリット

ホールICの選択方法

エイブリックのホールICは、お客様のご要望に合わせて様々な種類をご用意しています。
以下の順に検討いただくことで、最適なホールICを選定いただけます。

1. 使用用途 車載向け | 一般向け高速動作 | 一般向け低消費電力
2. 検知方式 / 検知極 片極検知(S極) | 片極検知(N極) | 両極検知 | 交番検知 | ZCL検知
3. 使用環境 動作周囲温度 | 動作電圧
4. パッケージ  SNT-4A | SOT-23-3 | SOT-23-3S | TO-92S | TSOT-23-3S | HSNT-6(2025)
5. 出力方式 出力形態 | 出力論理
6. 駆動周期(消費電流) /磁気感度  ※セレクションテーブルで選択可能

ホールIC セレクションテーブル

エイブリックのホールICのご紹介