・LDO(LDOレギュレータ)とは?
LDO(Low Drop Out)レギュレータは、入出力電圧差が小さくても動作できるリニアレギュレータを指します。
リニアレギュレータは、様々な電子機器に使われており、入力電圧より低い一定の電圧を出力することができる、電源ICの一つです。LDOレギュレータを選択すれば、入力電圧-出力電圧の電圧差が小さい状態で動作することが可能なため、発熱を抑えられたり、エネルギーを有効に活用したりすることができます。
ここでは、リニアレギュレータの基本的な役割・特徴を解説し、どのような場合にリニアレギュレータを使うべきか、わかりやすくご紹介します。
1. リニアレギュレータの基本的な役割
電子機器などにおいて、主にバッテリなどから出力される電源電圧から、後続システムに必要な電圧を作り出す役割を担うのがリニアレギュレータです。リニアレギュレータは、入力電圧より低い一定の電圧を出力することができます。
*マイコン(MCU)・・・電子機器を制御するための小型コンピュータ。電子機器の頭脳として、入力された信号に応じ働く。
リニアレギュレータのロングセラー
6.5V入力・超低消費
50V高入力電圧
2. リニアレギュレータの特徴
リニアレギュレータを使用する上で、その特徴を理解しておくことは不可欠です。代表的な特徴を紹介します。
安定した電圧(=低ノイズの電圧)を出力できる
リニアレギュレータは、入力電圧の変化*に左右されず、所望の電圧を出力することができます。また、リニアレギュレータの出力電圧は低ノイズであることから、センサモジュールやノイズに弱い部品などへの電圧供給にも向いています。(*リニアレギュレータの動作電圧範囲内での変化の場合)
必要な外付け部品が少ない
一般的にIC を使うには様々な外付け部品(抵抗やコンデンサ等)が必要になります。
リニアレギュレータの場合、外付け部品として最低限必要なのは入力コンデンサと出力コンデンサの2 つだけです。使うために必要な部品点数が少ないため、外付け部品を含めた電源回路設計が容易で、シンプルに電源回路を構成することができます。
入出力電圧差が大きいと発熱する場合も
一方、入力電圧と出力電圧の差(=入出力電圧差)が大きい場合は、発熱の問題が生じます。
→詳しく解説「熱損失とは?」
そのため、一般的には、リニアレギュレータは小電力の用途に向いていると言えます。
3. リニアレギュレータを使うべきケース
ではリニアレギュレータを使用するべきなのはどのような場合でしょうか。 代表的なケースをご紹介します。
・後続システムの動作電圧が低い場合
電源電圧が後続システムの動作電圧より高い場合、リニアレギュレータを使用することで後続システムに最適な電圧を供給することができます。
・変動の少ない電源が必要な場合
多くの場合、MCUやセンサ等の部品は、正常に動作するには一定の電圧が必要になりますが、そこで活躍するのがリニアレギュレータです。
外的要因や電子機器内の一部品の影響で、電圧が変動したり、ノイズが発生してしまうことはめずらしくありません。これが原因で、MCUやセンサ等の部品が正常に動作できなくなり、最悪の場合故障してしまうこともあります。
これを防ぐためにも、一定の電圧を必要とする部品や、ノイズに弱い部品の前段にリニアレギュレータを使用すれば、常に安定した電圧で動作することができます。
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