アンプ(アナログIC)

オペアンプとは?

  1. オペアンプとは
  2. オペアンプでできること
  3. オペアンプの使い方
  4. オペアンプの選び方、用語説明
  5. ゼロドリフトアンプとは
    エイブリックのゼロドリフトアンプ

エイブリックのオペアンプのご紹介

1. オペアンプとは

オペアンプ

オペアンプ(=Operational Amplifier、演算増幅器)とは、微弱な電気信号を増幅することができる集積回路(=IC)です。
オペアンプには2本の入力端子と1本の出力端子があり、入力端子間の電圧の差を増幅し出力するのがオペアンプの基本的な性質といえます。

 

2. オペアンプでできること 

オペアンプは単体で機能するものではなく、接続する回路を工夫することで様々な動作を実現できるようになります。 ここでは、オペアンプを用いた回路を応用するとどのようなことができるのか、代表的な例を紹介します。

●入力された信号を大きく増幅することができる

増幅回路を組むと、入力された小さな信号を大きな信号に増幅することができます。
メガホンで例えるなら、入力信号が肉声、メガホンがオペアンプ回路、といったイメージです。
例えばこの回路をセンサの信号を増幅する用途で使うと、微小なセンサ信号を大きくすることができます。
オペアンプ、増幅のイメージ さらに、その増幅した信号をマイコン*(MCU)に入力する事で、MCUはより正確にセンサ信号を処理することが可能になります。
*マイコン・・・電子機器を制御するための小型コンピュータ。電子機器の頭脳として、入力された信号に応じ働く。

●入力信号からノイズを除去することができる

入力信号に対し、オペアンプ回路がフィルタの働きをすることで任意の周波数の信号のみを取り出し出力することができます。
例えばこの回路を音声認識装置やボイスレコーダーに応用すると、認識したい音に近い周波数を抽出、それ以外の周波数をノイズとして除去することが可能になります。オペアンプ、ノイズフィルタのイメージ他にも、オペアンプは回路を工夫することで、演算や信号の合成など様々な機能を実現できます。

 

3. オペアンプの使い方

繰り返しになりますが、オペアンプは単独で使われることはほとんどありません。抵抗やコンデンサを接続し回路を構成することで、「オペアンプでできること」で紹介したような信号増幅やフィルタ、演算回路などの様々な動作が可能となります。

(1)オペアンプ自体の動作

ここで、回路内でオペアンプ自体がどのような動作をするのか考えてみます。 増幅回路のひとつである「非反転増幅回路」内でオペアンプがどのような動作をするか、見てみましょう。オペアンプ自体の動作説明実際はこのように単純な計算に加え、オペアンプ自体の性能等も加味して回路を組む必要があります。この点については、後項「オペアンプの選び方・用語説明」で紹介します。

 

(2)回路例

いくつかの代表的なオペアンプの使い方について、説明します。

【非反転増幅回路】オペアンプ、非反転増幅回路
(1)でも紹介した、入力信号を増幅して出力する回路です。

  • VOUT=(1+R2/R1)×VIN

 

【反転増幅回路】オペアンプ、反転増幅回路
反転増幅回路では、マイナスの符号が付きます。VIN電圧が上昇した場合、VOUT電圧は低下します。

  • VOUT=-R2/R1×VIN

 

オペアンプ、ボルテージフォロア回路【ボルテージフォロア回路】
非反転増幅回路の、R2をショート(R2=0Ω)、R1をオープン(R1=無限大)とした回路です。
VOUT=(1+R2/R1)×VIN= (1+0Ω/∞)×VIN=VIN となるため、入力信号と同じ電圧が出力されます。ボルテージフォロアは、インピーダンス変換や回路の分離をするためのバッファー回路として使われています。

  • VOUT=VIN

オペアンプ、差動増幅回路【差動増幅回路】
2 つの入力信号の差を増幅して出力する回路です。

  • VOUT=R2/R1×(VIN2-VIN1)

 

 

4. オペアンプの選び方、用語説明

ここでは、エイブリックのオペアンプS-89630Aを例に、オペアンプを選ぶ際に確認するべき項目と、その特性について説明します。

①動作電圧を確認

【動作電源電圧範囲】
VDD端子における、動作可能な電源電圧の範囲です。
使用する電源電圧が、オペアンプの動作電圧範囲内となっているか、ご確認ください。オペアンプS-89630、電源動作電圧範囲

【同相入力電圧範囲】
入力端子における、信号を入力できる電圧の範囲です。入力信号がこの範囲内であればオペアンプは動作可能となります。
同相入力電圧範囲がVSS~VDDまでカバーできているオペアンプを「Rail-to-Rail入力オペアンプ」と呼び、入力信号の電圧を広くカバーできる優れたオペアンプと言えます。

 

②入力信号の周波数を確認

【利得帯域幅積】
オペアンプが信号を増幅できる最大周波数を指します。信号を増幅したい倍率(ゲイン)によって、最大周波数は変わってきます。ゲインが1倍(=0dB)のときに一番高い周波数まで増幅することができ、この周波数が利得帯域幅積となります。オペアンプS-89630A、利得帯域幅積

オペアンプS-89630、電圧利得ー周波数グラフ例えば右のグラフは、S-89630Aがゲイン1倍(=0dB)時に増幅できる最大周波数は1.2MHz、10倍(=20dB)時に増幅できる最大周波数は120kHzとなることを示しています。
増幅したい倍率において、増幅したい最大周波数が範囲内になっているか、ご確認ください。

 

③消費電流を確認

【消費電流】
VDD端子から消費される電流値を指します。この値が小さいほど、システムの電力を低減することができます。
一般的に、消費電流が小さいオペアンプは、利得帯域幅積も低い周波数になる傾向があります。オペアンプS-89630A、消費電流

 

④信号増幅精度を確認

【入力オフセット電圧】
入力オフセット電圧は、入力電圧が0Vのときに出力に生じてしまう誤差電圧を、入力換算した値です。オペアンプの増幅精度を左右するきわめて重要な特性です。
一般的に、入力信号の電圧振幅がmVのオーダーの場合、μVオーダーの入力オフセット電圧が求められるため、入力オフセット電圧が非常に小さい「ゼロドリフトアンプ」と呼ばれるオペアンプを選ぶ必要があります。オペアンプS-89630A、入力オフセット電圧オペアンプS-89630、入力オフセット電圧の考え方

 

 

5. ゼロドリフトアンプとは

ゼロドリフトアンプとは、入力オフセット電圧および入力オフセット電圧のドリフトを限りなく最少(≒ゼロ)にしたオペアンプです。高精度な信号増幅を求められるアプリケーションにおいては、ゼロドリフトアンプを選択することが非常に有効です。

ゼロドリフトアンプの原理・方式を紹介!
「ゼロドリフトアンプとは?」

 

エイブリックのゼロドリフトアンプ

エイブリックは、民生用のゼロドリフトアンプとしてS-89630AS-89713シリーズを、車載用のゼロドリフトアンプとしてS-19630AS-19611Aをラインアップしています。

エイブリックのゼロドリフトアンプ、ラインナップ

S-89630A(民生用)S-19630A(車載用)は、広電圧範囲(4.0~36V)動作・低オフセット電圧の特性を併せ持つゼロドリフトアンプです。

S-89713シリーズ(民生用)S-19611A(車載用)は、2.65Vからの低電圧動作・低オフセット電圧の特性を併せ持つゼロドリフトアンプオペアンプです。S-89713シリーズ(民生用)は、超小型パッケージ(SNT-8A、1.97×2.46mmサイズ)品もラインアップしています。

ゼロドリフトアンプをお探しの場合は、エイブリックのオペアンプもぜひご検討ください。

オペアンプ セレクションテーブル

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