BLDCモータに最適なZCL®ホールIC

高速回転BLDCモータづくりに最適! ZCL®ホールIC

1. 高速回転BLDCモータづくりに最適! ZCL®ホールIC

遅延が小さいから同期ズレや検出遅延を排除可能に!

BLDCモータ (ブラシレスDCモータ) は検出の遅延時間が大きいほど、角度のズレも大きくなります。
また、一回転分のスピードが速くなれば遅延時間が検出に占める時間比率が大きくなります。これは高速になればなるほど顕著になり、ロータ磁場の検知限界が近くなることを意味します。
交番検知ホールICは、原理的にロータのゼロクロス点 (ロータの磁束密度ゼロ点) から動作点 (BOP)/ 復帰点 (BRP) に至るまでの遅延時間が存在し、これが検出の遅延となります。
一方、ZCL®ホールICはロータのゼロクロス点で磁束の方向(S極に向かっているか、N極に向かっているか)を検知して出力を決定します。そのため、前述の遅延がなく、より高速な回転への対応が可能となります。

ただし、ICには極性の変化を検出してから、ICの出力が変わるまでに遅延時間 (出力遅延時間) があります。エイブリックの交番検知ホールIC / ZCL®ホールICの出力遅延時間は現状、共に8μsです。

交番検知ホールICとZCL®ホールICの検出および遅延の違い

以下の表は、各ICの遅延が位相に与える影響を示しています。

ICタイプ ゼロクロス点からBOPまでの
検出遅れ
BRPからゼロクロス点までの
検出遅れ
条件
(最大磁束密度10mTの場合)
交番検知ホールIC 17°相当 17°相当 BOP=3.0mT
ZCL®ホールIC 0° (遅れなし) 0° (遅れなし) BZ=0mT *

BZ : ゼロクロスラッチ点 (IC が受ける磁束密度の強弱により極性の変化を検知する磁束密度の値)

交番検知ホールICとZCL®ホールICの検出および遅延の違い

交番検知ホールICとZCL®ホールICのばらつき範囲の違い

以下の表は、各ICの感度ばらつきが位相に与える影響を示しています (最大磁束密度10mTの場合)。

ICタイプ BOPばらつき
(3.0mT±1.0mT)
BRPばらつき
(-3.0mT±1.0mT)
BZばらつき
(0mT±1.15mT)
交番検知ホールIC 6°相当 6°相当
ZCL®ホールIC 6.5°相当

交番検知ホールICのばらつき範囲 ZCL®ホールICのばらつき範囲

 

2. 組付け後のキャリブレーション ZCL®ホールICなら不要です!

UVWの位相差を気にしないフレキシビリティ!

多くのお客様は、モータの最大トルクが得られるよう進角調整を行っています。コイル磁界の位相に対し磁石磁界の位相が90°遅れているときが最大トルクとなります。
実際には、トルク最大位置を測り、MCUのメモリ等に遅れ時間を記録させるという調整を個々の生産ラインで行うケースが多いのではないでしょうか?
ZCL®ホールICは、ゼロクロス点を基準に動作するので、ゼロクロス点からBOP / BRPまでの遅れや感度ばらつきによるUVW位相差補正の調整は不要となります。
具体的にはIC固有の出力遅延時間をMCU側にプリセットするだけとなります。この点が生産性アップやコストダウンに貢献できると考えています。

S-576Z Bシリーズ
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(広動作温度範囲)
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( 車載用)
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