スイッチングレギュレータの動作原理と動作モード
1. スイッチングレギュレータの出力電圧変換の原理
この項では、降圧スイッチングレギュレータの電圧変換の原理について説明します。
下図は、スイッチングレギュレータの 概略図と動作を簡単に示したものです。スイッチングレギュレータは、下図の入力電圧 VIN側のスイッチ(SW1)・GND側のスイッチ(SW2)を交互にON/OFFさせ、入力電圧 VINをパルスに変換し、LCフィルターで交流成分を除去することで、所望の直流電圧を出力します。
一般的には、SW1にはMOS FETが、SW2にはダイオードまたはMOS FETが用いられます。
SW1にMOS FET、SW2にダイオードを用いるタイプは「非同期整流方式」、SW1・2ともにMOS FETを用いるタイプは「同期整流方式」と呼ばれます。
同期整流方式は、SW2の損失を小さくできるため、非同期整流方式よりも高効率を実現することができます。
2. スイッチングレギュレータの動作モード
スイッチングレギュレータには、出力電圧の制御方式として「PWM方式」と「PFM方式」があります。
PWM方式
スイッチングレギュレータにおけるもっとも代表的な出力電圧の制御方式として、PWM方式が挙げられます。
PWMはPulse Width Modulation(パルス幅変調)の略で、PWM方式は周波数を固定でパルス幅を変化させ、出力電圧を制御する方式です。
MOS FET1がONしている時間をTon、MOS FET2がONしている時間をToffとした場合、1周期(Ton+Toff)あたりのMOS FET1がONしている時間の比率をDutyといい、以下の式で表すことができます。
Duty = Ton (Ton + Toff)
PWM方式の場合、出力電圧VOUTは入力電圧VINとMOS FET1がONしている時間Tonの比率(Duty)で決まり、以下の式で表されます。
出力電圧 = 入力電圧 × Duty
PWM制御では、負荷電流の大きさに関わらず一定の周波数で動作するため、単位時間あたりのスイッチング回数(MOS FET1と2のON/OFF回数)は常に一定です。
スイッチングにより発生するノイズ対策が比較的容易であるというメリットがある一方、負荷電流が小さい時にはスイッチングによる損失が支配的となってしまい、効率が著しく低下してしまうデメリットもあります。
PFM方式
PFMとはPulse Frequency Modulation(パルス周波数変調)の略で、パルス幅は固定のまま周波数を変化させて出力電圧を制御する方法です。
負荷電流が小さいときには周波数を下げて、負荷電流が大きいときには周波数を上げて動作するため、スイッチングによる損失を最低限に抑えることができ、負荷電流に関わらず高効率を維持することが可能です。
一方で、スイッチングの周波数が負荷電流の大きさに合わせて変化するため、スイッチングにより発生するノイズ波形も一定ではなくなることから、ノイズのフィルタが難しいというデメリットもあります。
PFM/PWM切替え制御
先に説明したとおり、常時PWM制御のスイッチングレギュレータの効率は、負荷電流が小さいときスイッチング損失が支配的となるため、効率が著しく低下してしまいます。
そこで、負荷電流が大きいときはPWM制御に、小さいときにはPFM制御に切り替える「PFM/PWM切替え制御」のスイッチングレギュレータを使用すれば、幅広い負荷電流の範囲で高効率を維持することができます。
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