S-8337/38 シリーズは、基準電圧回路, 発振回路, 誤差増幅回路, PWM 制御回路, 低電圧誤動作防止回路 (UVLO), タイマーラッチ式短絡保護回路等で構成されたCMOS 昇圧スイッチングレギュレータ(DC-DCコンバータ)です。
最低動作電圧が1.8 V と低く、LCD 用の電源や低電圧動作の携帯機器に最適です。ROSC 端子に接続する抵抗により、内部の発振周波数を最大1.133 MHzまで設定することが可能です。
S-8337 シリーズでは、RDuty 端子に接続する抵抗により、PWM 制御の最大デューティーを制御できます。S-8338 シリーズでは、最大デューティーは固定 (88%) です。
CC 端子に接続する抵抗とコンデンサの値で位相補償、ゲイン値を調整可能な構成となっています。したがって、アプリケーションごとに動作安定度、過渡応答を適正にセットすることができます。
基準電圧は1.0 V±1.5%と高精度で、外付けの出力電圧設定抵抗にて任意の出力電圧を得ることができます。また、CSP 端子に接続されたコンデンサにより短絡保護回路の遅延時間が設定可能です。
短絡により最大デューティーの状態が続くと、CSP 端子に外付けされたコンデンサがチャージされ、一定時間後発振動作を停止します。
電源の再投入、またはパワーオフ状態 (S-8338 シリーズ) にすることにより解除されます。
出力容量は設定によりセラミックコンデンサ、またはタンタルコンデンサを使用します。
各種設定および選択が可能で、さらに小型パッケージ採用という特長と合わせ、非常に使いやすいコントローラIC となっています。
特長
- 低電圧動作
- 1.8 V〜6.0 V
- 発振周波数
- 外部抵抗にて286 kHz〜1.133 MHz まで設定可能
- 最大Duty
- 外部抵抗にて47〜88.5% まで設定可能 (S-8337 シリーズ)、 88% Typ.で固定 (S-8338 シリーズ)
- 基準電圧
- 1.0 V ± 1.5%
- UVLO (低電圧誤動作防止) 機能
- 検出電圧を1.5 V〜2.3 V で0.1 V ステップで選択可能、
ヒステリシス幅を0.1 V〜0.3 V で0.1 V ステップで選択可能 - タイマーラッチ式短絡保護回路
- 外部コンデンサにて遅延時間の設定可能
- ソフトスタート機能
- ソフトスタート時間を10 ms, 15 ms, 20 ms の3 段階で選択可能
- 位相補償外部設定
- 対GND に抵抗とコンデンサを直列に接続することで調整可能
- パワーオフ機能
- S-8338 シリーズ、パワーオフ時消費電流 1.0 µA max.
- 鉛フリー製品
用途
- LCD, CCD 等の電源携帯機器用電源