S-82D1Aシリーズは、温度保護回路、高精度電圧検出回路、および遅延回路を内蔵したリチウムイオン / リチウムポリマー 二次電池保護用ICです。NTCサーミスタを専用の接続端子に接続することで温度保護が可能になります。1セルリチウムイオン / リチウムポリマー二次電池パックの過充電、過放電、過電流の保護に最適なICです。
特長
- 外付けNTCサーミスタを用いた高精度温度保護回路
- 高温充放電禁止温度 : +40°C ~ +85°C (1°Cステップ) 精度±3°C*1
- 高温充電禁止温度 : +40°C ~ +85°C (1°Cステップ) 精度±3°C*1
- 低温充電禁止温度 : -40°C ~ +10°C (1°Cステップ) 精度±3°C*1
- 低温充放電禁止温度 : -40°C ~ +10°C (1°Cステップ) 精度±3°C*1
- 高精度電圧検出回路
- 過充電検出電圧 : 3.500 V ~ 4.600 V (5 mVステップ) 精度±15mV
- 過充電解除電圧 : 3.100 V ~ 4.600 V*2 精度±50mV
- 過放電検出電圧 : 2.000 V ~ 3.000 V (10 mVステップ) 精度±50mV
- 過放電解除電圧 : 2.000 V ~ 3.400 V*3 精度±75mV
- 放電過電流検出電圧1 : 0.003 V ~ 0.100 V (0.5 mVステップ) 精度±1.5mV
- 放電過電流検出電圧2 : 0.010 V ~ 0.100 V (1 mVステップ) 精度±3mV
- 負荷短絡検出電圧 : 0.020 V ~ 0.100 V (1 mVステップ) 精度±5mV
- 充電過電流検出電圧 : -0.100 V ~ -0.003 V (0.5 mVステップ) 精度±1.5mV
- 各種検出遅延時間は内蔵回路のみで実現 (外付け容量は不要)
- 充放電制御機能
- CTL端子制御論理 : アクティブ "H"、アクティブ "L"
- CTL端子内部抵抗 : プルアップ、プルダウン
- CTL端子内部抵抗値 : 1 MΩ 〜 5 MΩ (1 MΩステップ)
- 放電過電流制御機能
- 放電過電流状態解除条件:負荷開放
- 放電過電流状態解除電圧:放電過電流解除電圧 (VRIOV) = VDD × 0.8 (typ.)
- CTL端子による放電過電流状態リセット機能
- あり、なし
- 0V電池への充電
- 可能、禁止
- パワーダウン機能
- あり、なし
- 高耐圧
- VM端子およびCO端子 : 絶対最大定格28.0 V
- 広動作温度範囲
- Ta = −40℃ ~ +85℃
- 低消費電流
- 動作時:2.5 μA typ., 5.0 μA max. (Ta = +25°C)
- パワーダウン時:100 nA max. (Ta = +25°C)
- 過放電時:0.5 μA max. (Ta = +25°C)
- 鉛フリー(Sn 100%)、ハロゲンフリー
*1. 温度検出精度はNTCサーミスタの仕様により変化します。
データシート表6のNTCサーミスタが接続された場合、検出温度およびその精度が得られます。
*2. 過充電解除電圧 = 過充電検出電圧 − 過充電ヒステリシス電圧
(過充電ヒステリシス電圧は、0 Vまたは0.1 V ~ 0.4 Vの範囲内にて50 mVステップで選択可能)
*3. 過放電解除電圧 = 過放電検出電圧 + 過放電ヒステリシス電圧
(過放電ヒステリシス電圧は、0 Vまたは0.1 V ~ 0.7 Vの範囲内にて100 mVステップで選択可能)
用途
- リチウムイオン二次電池パック
- リチウムポリマー二次電池パック