S-82C1Eシリーズは、高精度電圧検出回路と遅延回路を内蔵したリチウムイオン / リチウムポリマー二次電池保護用ICです。
1セルリチウムイオン / リチウムポリマー二次電池パックの過充電、過放電、過電流の保護に最適なICです。
外付けの過電流検出抵抗を用いることにより、温度変化による影響の少ない高精度な過電流保護を実現します。
また、充放電制御信号入力端子を備えており、外部信号による充放電制御が可能です。
特長
- 高精度電圧検出回路
- 過充電検出電圧 : 3.500 V ~ 4.600 V (5 mVステップ) 精度±20 mV
- 過充電解除電圧 : 3.100 V ~ 4.600 V*1 精度±50 mV
- 過放電検出電圧 : 2.000 V ~ 3.000 V (10 mVステップ) 精度±50 mV
- 過放電解除電圧 : 2.000 V ~ 3.400 V*2 精度±100 mV
- 放電過電流検出電圧 1 : 0.010 V ~ 0.100 V (1 mVステップ) 精度±3 mV
- 放電過電流検出電圧 2 : 0.030 V ~ 0.200 V (1 mVステップ) 精度±5 mV
- 負荷短絡検出電圧 : 0.050 V ~ 0.500 V (5 mVステップ) 精度±20 mV
- 充電過電流検出電圧 : −0.100 V ~ −0.010 V (1 mVステップ) 精度±3 mV
- 各種検出遅延時間は内蔵回路のみで実現 (外付け容量は不要)
- 充放電制御機能
- CTL端子の制御論理 : アクティブ "H"、アクティブ "L"
- CTL端子の内部抵抗接続 : プルアップ、プルダウン
- CTL端子の内部抵抗値 : 1.0 MΩ ~ 10 MΩ (1 MΩステップ)
- CTL端子電圧 "H" : VSS + 0.7 V, VDD − 0.9 V
- CTL端子電圧 "L" : VSS + 0.7 V, VDD − 0.9 V
- 0 V電池への充電
- 可能、禁止
- パワーダウン機能
- あり、なし
- 放電過電流状態の解除条件
- 負荷開放、充電器接続
- 放電過電流状態の解除電圧
- 放電過電流検出電圧1 (VDIOV1)、
放電過電流解除電圧 (VRIOV) = VDD × 0.8 (typ.) - CTL端子による放電過電流状態リセット機能
- あり、なし
- 高耐圧
- VM端子およびCO端子 : 絶対最大定格28 V
- 広動作温度範囲
- Ta = −40°C ~ +85°C
- 低消費電流
- 動作時 : 2.0 μA typ., 4.0 μA max. (Ta = +25°C)
- パワーダウン時 : 50 nA max. (Ta = +25°C)
- 過放電時 : 1.0 μA max. (Ta = +25°C)
- 鉛フリー、ハロゲンフリー*3
*1. 過充電解除電圧 = 過充電検出電圧 − 過充電ヒステリシス電圧
(過充電ヒステリシス電圧は、0 Vまたは0.1 V ~ 0.4 Vの範囲内にて50 mVステップで選択可能)
*2. 過放電解除電圧 = 過放電検出電圧 + 過放電ヒステリシス電圧
(過放電ヒステリシス電圧は、0 Vまたは0.1 V ~ 0.7 Vの範囲内にて100 mVステップで選択可能)
*3. 詳細はデータシート“品目コードの構成”を参照してください。
用途
- リチウムイオン二次電池パック
- リチウムポリマー二次電池パック