コラム Vol.3「S-85S1P」の機能と、開発ニーズ

動画ダイジェスト(再生時間: 1分17秒)

キーフレーム11. 普及に向けて急速に開発が進むIoT、ウェアラブル機器。 それらのバッテリのもちが悪く、突然のバッテリ切れでお困りではありませんか? エイブリックのスイッチングレギュレータ S-85S1Pシリーズは、この問題を解決します。

キーフレーム22. S-85S1Pシリーズは、電源分圧出力機能を搭載しているため、ワンチップで IoT機器のバッテリを監視して、その残量を精度良く伝えることで、バッテリ交換時期を事前に把握することができます。

キーフレーム33. また、S-85S1Pシリーズは、電源分圧出力機能を搭載しながら、「超小型」を実現。

キーフレーム44. さらに、電源分圧部の消費電流が280nAの「超低消費」も両立させました。

キーフレーム55. 「もっと使いやすく、使えるものに。」  エイブリックは、快適なIoT、ウェアラブル機器の発展に貢献します。

ユーザーとの共創がもたらした革新── 電源分圧出力付きの超高効率スイッチングレギュレータ「S-85S1Pシリーズ」

エイブリックの「S-85S1P」は、姉妹製品「S-85S1A」に電源分圧出力機能を搭載させた超高効率スイッチングレギュレータ(DC-DCコンバータ)です。S-85S1Aと同じく、きわめて低い自己消費電流と高速な過渡応答、省スペースといった特徴を備えつつ、電源分圧出力機能による正確なバッテリ残量の把握を可能にしています。

お客様の声をカタチに

 スマートフォン、タブレットといったモバイルデバイスの普及や、IoTデバイスの需要拡大によって、「Bluetooth Low Energy(BLE)」や「LoRaWAN」などのローパワー無線モジュールに対する需要や期待感が大きく膨らんでいます。 一般的に、BLEモジュールやLoRaWANモジュールは、小型の電池でも十分な期間、動作することが求められます。また、BLEモジュールに関しては、バッテリ残量を正確に把握するための電源分圧出力機能も必要とされます。 ところが、電源分圧出力機能を実装すると、その自己消費電流がモジュール全体の「バッテリの持ち」に負の影響を与えることになるため、電源分圧の自己消費電流は極力小さくしなければなりません。 バッテリの残量を正確に把握しつつ、電源分圧の自己消費電流を最低限に抑える──。 この2つの課題を一挙に解決する新たなソリューションをエイブリックに求めたのが、IoTデバイスの開発・量産を手掛け、BLE/LoRaWANなどのローパワー無線モジュールの開発・製造も展開するベンチャー企業である、株式会社Braveridgeです。同社の要望に基づくかたちで、エイブリックは、電源分圧出力機能を組み込んだスイッチングレギュレータ「S-85S1P」を開発、その採用によってBraveridgeは抱えていた2つの課題の解決に成功したのです。

電源分圧出力機能でサービス設計を改善

バッテリ残量の把握は、モニタ回路を個別に設けて行われるのが通常です。ただ、こうした既存の方法では、抵抗など追加素子が必要で基板上のスペースを取るうえに精度が低く、精度を高めようとすればモニタ回路自体が電力を消費してしまうといった課題があります。 S-85S1Pの特徴である電源分圧出力機能は、入力電池電圧を電源IC内部で1/2、あるいは1/3に分圧し、モニタ端子からアナログで出力、それをマイコンのA/Dコンバータ端子に入力することで電圧監視を行うというものです。

図:S-85S1Pのアーキテクチャ

その電源分圧回路の自己消費電流は「280nA」に抑えられ、スイッチングレギュレータ本体の自己消費電流(S-85S1Aと同じ260nA)と合わせても540nAにとどまります。しかも、電源分圧回路は任意にON/OFFができるため、モニタリングを行わない場合は本体部分の260nAのみの消費で済み、電圧監視のための電池消費を最小限に抑えることが可能となっています。 さらに、この電源分圧出力機能では、これまでの回路に比べて電源電圧をより正確に監視できるため、電池残量の高精度な把握も実現されています。バッテリの交換や充電のタイミングも正確に予測できるようになり、残量に応じた省電力モードへの切り替えや、ユーザーへの早めの通知に生かすことができます。

SNT-8AS-85S1Pでは、外付けの電源分圧回路を不要にしただけでなく、「2.46mm×1.97mm×0.5mm」という業界最小クラスの超小型「SNT-8A」パッケージにすべてが実装されています。つまり、電源分圧回路を搭載しながら、姉妹品のS-85S1A(SNT-6Aパッケージ:1.8mm×1.57mm×0.5mm、6端子)に迫る省スペースを実現しているのです。また、各種保護回路などもS-85S1Aと同様にフルに搭載されています。

エイブリックでは、従来より市場の潜在的なニーズをいち早く捉え、バッテリの活用を推進する様々な技術を開発してきました。 お客様の声をカタチに── エイブリックでは、これからもお客様の声に応えていく製品の提供を目指していきます。

コラム