ボルテージディテクタ(リセットIC)

ボルテージディテクタ(リセットIC)の選び方

リセットIC(ボルテージディテクタ・電圧監視IC)の選び方をご紹介します。
リセットICは非常にシンプルなICですが、特徴や付加機能を活用すれば、機器の動作監視・制御をより高精度に実現できます。

用途の解説はこちら「リセットICとは?」

検出したい電圧(=リセット信号を出力する電圧)を確認する

検出電圧

検出電圧

リセットICは、監視対象の電圧が検出電圧を下回った際にリセット信号を発します。
リセットICの検出電圧は、多くの場合、製品のオプションから選択することができます。例えばS-809シリーズの場合、検出電圧は、1.3 V〜6.0 Vの間から0.1Vステップで選ぶことができます。

検出電圧精度

検出電圧精度は、リセットICを選ぶ上で重要な仕様の一つです。
リセットICの検出電圧は、温度や製造のバラつきにより誤差が生じるため、検出電圧精度を「±〇%(mV)」という形でスペックしています。 そのため、リセットICの選定の際には、その誤差分を考慮して検討を行うことが大事です。

検出電圧の精度(バラつき)・ヒステリシス幅が及ぼす影響を、次のグラフで説明します。

上図のような回路例でリセットICを使用する場合、リセットICの検出電圧は、バラつき・ヒステリシス幅を含めて電源ICの最低出力電圧とMCUの最低動作電圧の間に収まるものを選ぶ必要があります。
例えば、検出電圧精度が±0.5%のリセットICの場合は、バラつき・ヒステリシス幅を考慮しても、検出電圧は電源ICの最低出力電圧-MCUの最低動作電圧間に収まります。
一方、検出電圧精度が±4.0%のリセットICの場合、バラつきが最も大きい場合だと、検出電圧が電源ICの最低出力電圧-MCUの最低動作電圧間に収まらない可能性があるのがわかります。解除電圧が電源ICの最低動作電圧より高くなってしまうと、MCUのリセット状態を解除することができません。
よって、このMCUの電圧検出をリセットICで行う場合、±4.0%より高精度のリセットICを選択するべきだとわかります。

リセット信号を解除したい電圧を確認する

解除電圧

解除電圧

リセットICは、監視対象の電圧が解除電圧を上回ると、リセット信号を解除します。 多くのリセットICは、検出電圧に対しヒステリシス幅が設けられており、それにより解除電圧が決まります。

ヒステリシス幅

ヒステリシス幅は、解除電圧と検出電圧の差分を指します。
ヒステリシス幅が設けられていないと、監視対象の電圧が検出電圧付近で変動した際に、リセットICは出力はH”と“L”を短周期で繰り返すことになり、後続のシステムの不安定な動作を引き起こしてしまう可能性があります。
ヒステリシス幅を設けることで、リセットICの不必要な検出・解除を防ぐことができます。

解除電圧

一方で、車載用途の機器などでは、ヒステリシス幅のないリセットICが求められる場合もあります。
これは先述した「検出電圧精度」にも関わりますが、MCUの要求使用が厳しい場合、またはMCUの最低動作電圧と電源ICの最低動作電圧幅が非常に小さい場合などは、ヒステリシス幅のないリセットICを使用することが有効です。

遅延時間を確認する

解除電圧

リセットICの遅延時間には、監視対象の電圧が検出電圧以下になってからリセット信号を出力するまでの時間を指す「検出遅延時間」と、電圧が検出電圧に達してからリセット信号を解除するまでの時間を指す「解除遅延時間」があります。 (「遅延時間」単体では、後者の「解除遅延時間」を指すことが一般的です。)

リセットICは、遅延時間がないもの・遅延回路が内蔵されており遅延時間を外付けのコンデンサで設定できるもの・遅延回路が内蔵されており遅延時間が内部で設定されているものを製品シリーズから選ぶことができます。

解除遅延時間が必要なケースは?

解除遅延時間を設ける主な目的は、電源が安定してからMCUなどのシステムが起動できるようにするためです。MCUによっては、電源が動作電圧範囲に達してから起動するまでに必要な時間が定められており、MCUが正常に初期化するにはその間リセット状態を保持する必要があります。

検出遅延時間が必要なケースは?

ノイズの多い環境で電圧を監視する場合、ノイズの影響で電源電圧が検出電圧を非常に短い時間下回る事があります。これを電圧異常として検出すると常時リセット状態となってしまい、システムが動作しなくなる可能性が生じます。
リセットICが検出遅延時間を持つと、このような瞬間的な電圧降下を検出しないようにすることが可能になります。

検出タイプを選ぶ

リセットICのどの端子への入力電圧を監視するかにより、リセットICの検出タイプが異なります。
選ぶ際のひとつの基準として、監視したい電圧がリセットICの最低動作電圧を下回った場合でもリセット信号が出力される必要があれば「SENSE検出」タイプを選ぶと良いでしょう。

VDD検出

リセットICのVDD端子に入力される電源電圧を監視します。 回路構成をシンプルにできる一方で、 監視対象の電圧、つまり電源電圧がリセットICの最低動作電圧を下回ることがあれば、リセットICが安定動作できなくなり、出力信号が不定になる可能性があります。

VDD検出

SENSE検出

リセットICの電源電圧ではなく、SENSE端子に入力される電圧を監視・検出します。 監視電圧の入力端子をVDD端子(=電源端子)と別に設けることで、リセットICは監視電圧の影響を受けず、監視電圧が0Vまで下がったとしても安定してリセット出力が可能です。

SENSE検出

出力タイプ・出力論理を確認する

出力タイプ:Nchオープンドレイン出力品、CMOS出力品

リセットICの出力タイプには、「Nchオープンドレイン出力品」と「CMOS出力品」の2種類があります。
リセットICの電源系統と、リセット信号を受信するMCUの電源系統が同じ場合は「CMOS出力品」を使用することができ、異なる場合は「Nchオープンドレイン出力品」が適します。

付加機能でさらに最適なリセットICを選ぶ

マニュアルリセット機能

マニュアルリセット機能とは、リセットICのMR(マニュアル)端子への信号入力によって強制的にリセット信号を出力することができる機能です。
この機能を活用すると、電圧に関わらずリセット信号を切り替えることができるため、例えば電子機器の外部スイッチにMR端子に接続すれば、使用者の意思でリセットICの出力をコントロールすることも可能です。

マニュアルリセット検出

エイブリックのリセットIC

エイブリックの業界におけるシェア

エイブリックは、リセットICのリーディングカンパニーとして、製造・開発に35年の実績があり、業界におけるシェアはトップクラス*です(*弊社マーケットデータによる)。
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